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794
用途発明と物の内的属性/進歩性審査基準/特許出願/特許審査基準 |
体系 |
特許審査基準 |
用語 |
用途発明と物の外的属性 |
意味 |
用途発明とは、或る物の未知の属性を発見し、この属性により、当該物が新たな用途への使用に適することを見い出すことに基づく発明をいいます(進歩性審査基準)。
他方、物の属性には、物自体が特定されてもそれを観察しているだけでは把握できないタイプのもの(ここでは外的属性といいます)があり、この種の属性と用途発明との関係を解説します。
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内容 |
@用途発明における外的属性の意義
(a)物の属性としては、物が特定されるとその物自体を観察することで把握できるもの(内的属性)の他に、その物が置かれた特定の環境に置かれることで発現される属性(外的属性)があります。
(b)特定の環境に置くとは、対象物Aを被対象物Bに適用することで特定の用途に供されるとか、或いは標準的でない特殊な条件の下で或る作用効果を発揮するようにすることをいいます。
(c)例えば“特定の4級アンモニウム塩が船底への汚泥の付着を防止する”という属性を見い出して、“特定の4級アンモニウム塩を含有する船底汚泥用組成物”の発明をする場合が該当します(特許審査基準)。
A外的属性の内容
(a)物の属性には、外的属性の他に内的属性(物自体が特定されるとそれを観察しているだけでは把握できる物)があると言われていますが、用途発明が成立し易いのは、前者です。
何故なら、特定の他物との関係において或いは特定の状況の下でのみその属性による作用効果が発揮されるために、当業者は当該作用が発揮されることを予想しにくいからです。
(b)従ってこの種の属性に基づいて用途発明の特許出願をするときには、その属性が発揮される発明の範囲を実験等により適切に確認する必要があります。
(c)また物の属性に対応した“用途”の選び方も重要であり、用途を広く設定した結果として新規性・進歩性が認められなくなる可能性もあります。
→用途発明のケーススタディ2(用途の選び方)
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留意点 |
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