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 パテントに関する専門用語
  

 No:  835   

職務上顕著な事実/特許出願/禁反言/進歩性

 
体系 実体法
用語

職務上顕著な事実(裁判所において)

意味  裁判所において職務上顕著な事実とは、裁判所の事実認定で立証を要しないとされている「裁判所において顕著な事実」の一態様であり、一般に広く知られていないが、裁判所の職務上の経験上その存在に確信をもっている事実をいいます。


内容 @職務上顕著な事実の意義

(a)裁判の事実認定は証拠に基づいて行うことが原則です。

 例えば特許出願の新規性・進歩性の有無、特許侵害事件での包袋禁反言の原則による抗弁(例えば権利者の主張が特許出願の審査段階での意見書での意思表示と矛盾するなど)は厳正に証拠を以て認定しなければなりません。

(b)しかしながら、裁判所が職務上知った情報から確信を以て認定できる事実まで当事者の証拠がないと認定できないのは不合理な場合があります。

(c)こうした趣旨から民事訴訟法第179条(裁判所において当事者が自白した事実及び顕著な事実は証明することを要しない)の「顕著な事実」には、裁判所が職務上知って確信を持っている事実も含まれると解釈されています。

A職務上顕著な事実の内容

(a)事実関係を裁判所に知らせることが法律上保障されている事実

(イ)特許庁長官は、特許権又は専用実施権の侵害の訴えが提起された旨の通知を裁判所から受け取った場合において、その特許権についての審判の請求の有無を裁判所に通知することと定められています(特許法第168条第4項)。

 特許侵害に対して進歩性等の欠如を理由として無効審判を請求したり、或いは当該無効審判の請求に対して訂正の請求をすることは定石的な対応であり、その結果如何により裁判が影響されるからです。

(ロ)また無効審判の審決に対して審決取消訴訟が裁判所に提起されたときも、その事実が特許侵害の裁判所に知らされます。

(ハ)こうした事実は、裁判所において職務上顕著な事実として扱われます(平成26年(ネ)10069号)。


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