体系 |
特許出願の審査 |
用語 |
意見書とは(特許法の) |
意味 |
意見書とは、特許法において、特許出願人や特許権者が行政機関に対して意見を開陳するための手続をいいます。
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内容 |
①意見書の意義
特許出願の査定や審決などの行政行為は、合意を前提とする私人間の契約などと異なり、行政機関が一方的に行うものですから、公正なものでなければならず(→行政行為の性質)、そのためには、行政処分を行う前に処分を受ける者の意見を聴くということが重要です。そうした観点から特許法は、特許出願人等に意見書を提出する機会を与えています。
なお、意見書と似ている概念として答弁書があります。前者は、特許権者或いは特許出願人行政機関の見解に対して意見をいうことであり、後者は、対立する当事者の一方が他方の主張に対して反論することです(→答弁書とは)。
②意見書の内容
(a)拒絶理由通知に対する特許出願人の意見書(特許法第50条)
審査官は、拒絶をすべき旨の査定をしようとするときは、特許出願人に対して拒絶の理由を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えなければなりません。
→意見書とは(特許出願の場合)
例えば特許出願前に公開されていた発明から容易に発明できなかったことという特許要件(進歩性)は、要件が抽象的であり、ともすれば審査官の後知恵的な思考に陥り易いので、事前に特許出願人の見解を聴くことで行政行為の妥当性が担保されます。
→後知恵とは(特許出願の)
また拒絶理由に承服する場合であっても、特許請求の範囲を補正することで、特許出願の拒絶理由を回避する機会を与える必要があります。
(b)訂正審判請求人の意見書(特許法第165条)。
審判長は、
訂正審判の理由が第126条第1項各号に掲げる事項(特許請求の範囲の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明)を目的としない場合、或いは、
訂正の内容が願書に添付した明細書・特許請求の範囲・図面の記載事項を超えるもの、
実質的に特許請求の範囲を拡張・変更するもの、
訂正後の特許請求の範囲により特定される発明が特許出願時に独立して特許を受けることができないものである場合(同条第3~5項)には、
訂正審判の請求人にその旨を通知して意見書を提出する機会を与えなければなりません。
特許出願時に独立して特許を受けることができないもの(例えば進歩性を有しないもの)であるかどうかは、特許出願の審査の場合と同じように意見書での反論を見ないと、適正に判断できないことがあり、また審判請求の目的や実質上の変更・拡張に関しても特許権者の意見を聴くのが公正だからです。
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