内容 |
①独立当事者参加の意義
(a)独立当事者参加は、第三者が民事訴訟の当事者双方に対して訴訟の目的に関する自己の請求をするために当該訴訟に当事者として参加することを言います。
(b)民事訴訟法第47条第1項には、下記に規定する者は、訴訟の当事者の双方又は一方を相手方として、当事者としてその訴訟に参加することができる旨が規定されています。
・訴訟の結果によって権利が害されることを主張する第三者
これは詐害防止参加です。訴訟の目的物に関して原告と被告とが馴れ合って訴訟を起こし(→馴れ合い訴訟とは)、訴訟の目的物に関して権利を有する第三者の利益を害することを防止するために、第三者が独立当事者参加をすることが相当します。
・訴訟の目的の全部もしくは一部が自己の権利であることを主張する第三者
これは権利主張参加です。
例えば或る土地の占有者甲に対して、その土地の所有者であることを主張する乙が所有権の確認及び土地明渡しの訴訟を提起している場合、自分こそ真の所有者であると主張する丙が、甲乙に対して所有権の確認を、乙に対して土地の明け渡しを求めて独立当事者として当該訴訟に参加するごとき場合です。
②独立当事者参加の内容
(a)権利侵害主張参加が特許出願に関して行われた事例として、平成14年(行ケ)第414号を紹介します。
[事件の概要]
昭和62年11月2日に甲は「間欠空気用水装置における給気方法」の特許出願Aを行い、
平成6年2月4日に甲はAの分割出願である特許出願Bを行い、
平成12年12月26日に甲は特許出願Bの拒絶査定を受けたために、所定の期間内に拒絶不服審判を行い、
平成14年3月4日に甲は審判請求が成り立たない旨の審決を受けた。
そこで甲は審決取消訴訟を提起した。審決取消訴訟の提起後に甲から乙に特許を受ける権利が譲渡され、乙は独立当事者参加を行い、他方、甲は裁判から脱退した。
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