体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
産学官連携 |
意味 |
産学官連携とは、新技術の研究開発や新事業の創出の図るために、大学・研究機関などと民間企業と政府・地方公共団体などの官僚とが相互に連携することを言います。
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内容 |
@産学官連携の意義
(a)最先端の技術(特に基礎技術)を抱える大学などは、そうした技術に対してどのようなニーズがあるのかが必ずしも判らず、他方、市場の課題を解決しようと模索する民間企業は、自前での技術開発能力だけで課題の解決を図ると、予想外に時間を要し、結果として外国企業に遅れをとることが少なくありません。
両者が相補的な連携を行うことにより、効果的かつ迅速に世間のニーズに対応した新技術を開発し、特許出願し、権利化することが可能になります。→産学連携とは
(b)とは言っても、従来は、大学の側では、たとえ雇用者である大学が保有する技術の応用・活用しようとしても、開発現場にいる研究者にとってはまず学会での研究発表が重要視されていたため、また企業側では、自社の技術陣で全ての技術を開発することにこだわりがあったため(→自前主義とは)、こうした連携は、必ずしも盛んではありませんでした。
(c)しかしながら、欧米の特許優遇政策(プロパテント)により徐々に日本の経済は追い詰められておりました。 →プロパテントとは
特に米国では、バイドール法(政府資金による研究開発の成果を特許出願して得た権利を、資金の受託者に帰属させる法律)の導入により、
(資金注入による)研究開発→特許出願による権利化→民間への技術移転による資金回収
というサイクルが出来上がり、経済を強力に再生させました。
(b)これに伴い、大学と民間企業との橋渡しを国が行う産学官の連携の必要が認識されるようになりました。
A産学官連携の内容
(a)具体的には、次のように産学官の連携が進められました。
・1995年に「科学技術基本法」が制定されました。
これにより、多額の公的資金が大学等の研究に投入されました。
・1998年、「大学等技術移転促進法」(TLO法)が制定されました。 →大学等技術移転促進法(TLO法)とは
これにより、大学の技術や研究成果を民間企業へ移転する技術移転機関の活動を国が支援することとなりました。
・1999年には産業活力再生特別措置法第30条が制定されました。
これは、日本版バイ・ドール法とでもいうべきものであり、政府資金による研究開発から生じた特許等の権利を受託者に帰属させることが可能となりました。
・2004年の国立大学法人法が制定されました。
これにより、研究成果の社会還元が大学の使命のひとつとして明記されました
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