体系 |
実体法 |
用語 |
刊行物(新規性) |
意味 |
特許法において、刊行物とは、公開として複製された文書・写真等の情報伝達手段をいいます(。特許出願前に日本国内又は外国で領布された刊行物に発明が記載されたときには、その発明は新規性を喪失します。
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内容 |
@刊行物とは、一般に印刷その他の機械的又は化学的方法で多数複製された公開的な文書や図面等を指すものです。多数複製されること(複製性)と、公開性・情報性とが必須の条件です。いかに複写技術が進歩改良されようと、当該文書・図面が多数人に複製され不特定多数人に配布されうる状態に作成されていなければ刊行物とはいえません。
こうした観点から、外国(ベルギー国)の特許明細書の原本に関して刊行物性が否定された事例があります{(昭和50年(行ケ)第97号改良重合方法事件}
A例えば発明の内容を手書きやタイプライターで多数複製したとしても刊行物となりますので、手書きなどのメモを不特定多数の人に配布しても新規性を喪失します。
Bさらに刊行物は、不特定多数人に頒布される性質(頒布性)を有します。
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留意点 |
光ディスクなどのデジタル記憶媒体に関しては、書換えが容易であるという特性から、証拠力が問題になる可能性がありますが、刊行物性は否定されないと考えるのが妥当です。出願前にこれらの情報が漏えいしたら、新規性を喪失することになるので、情報管理は的確に行う必要があります。
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