体系 |
実体法 |
用語 |
ハインドサイト |
意味 |
ハインドサイト(後知恵)とは、先行技術から本願発明を発明することが容易である論理を組み立てる際に本願の出願書類の記載事項を手掛かりとして論理付けを行うことです。
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内容 |
①ハインドサイトの意義
進歩性審査基準によれば、例えば引用文献を組み合わせて進歩性を否定するときに、技術分野の共通性、課題の共通性、作用・効果の共通性、示唆などが引用同士を組み合わせて本願発明に至るための動機付けとなるとしています。
これらの動機付けは先行技術文献(技術常識を含む)の中に存在しなければなりません。
しかしながら、審査官は、多くの先行技術の中から本願発明と技術的に類似する文献を苦労して探し出すため、無意識に、例えば本来異なる作用のものを上位概念化して共通点を見い出そうとするなど、無理な動機付けをしてしまう傾向があります。
②ハインドサイトの内容
審査官も自らが事後分析的な思考、すなわちハインドサイト(後知恵)に陥りやすいということは経験的に知っているので、適切に反論すれば拒絶理由を撤回してくれる場合が多いです。従って動機付けが適切か否かをしっかり確認しましょう。肝心なことは簡単にあきらめないことです。
ハインドサイトは後知恵という言い方をすることもあります。 →後知恵とは
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留意点 |
事後分析的な思考を避けるためには、課題の把握に当たって発明の課題を的確に把握することが必要です{平成20年(行ケ)第10096号(回路用接続部材事件)}
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