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| [判決言い渡し日] |
| 平成15年6月24日 |
| [発明の名称] |
| 共焦マイクロスコープ |
| [主要論点] |
| 進歩性の判断における公知の技術の組み合わせ |
| [判例の要点] |
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公知の技術X、Yの組み合わせにより当該特許出願固有の発明の効果Zが発揮されるときには、進歩性を肯定的に判断する材料となります。発明の効果が特許出願の明細書に記載されているか否かは、単に“X、Yの組み合わせにより効果Zを生ずる。”という如き記載があることを要さず、特許出願の複数の記載箇所からの開示内容を読み取れれば足ります。 |
| [本件へのあてはめ] |
共焦マイクロスコープにおいて光源側の光伝達手段が単一モードエネルギーガイド(光ファイバー)であること、光検知器の開口の平均直径が0.6×λ/NA未満であること(λは出力エネルギーの波長、N.A.は集束手段の開口数)はそれぞれありふれたことですが、両者を組み合わせることで回折限界共焦マイクロスコープにおいて適切な解像度が得られること、単一モード光ファイバーを用いていない従来技術では、平均直径が0.6×λ/NA未満としても大した改良は得られず、却って伝達される光量が減少するという不利益を招くことを考えると、本件特許出願の発明は進歩性を有しないとした審決は取り消されるべきです。なお、前述の効果は、明細書中の複数の記載を参酌すると、特許出願人が開示しているものと認められます。![]() |
| [先の関連判決] |
| 昭和59年(行ケ)第77号(周知技術の関連性) |
| [後の関連判決] |
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