[判決言い渡し日] |
平成9年9月10日 |
[発明の名称] |
半導体装置 |
[主要論点] |
無効理由による権利濫用の抗弁、特許出願の経過の参酌・分割出願の要件判断。 |
[判例の要点] |
無効理由となる蓋然性の極めて高い特許権を行使することは権利濫用であって許されないと抗弁することができます。 特許請求の範囲の用語の意義の解釈は発明の詳細な説明の欄の記載を考慮して行うことができますが、同欄の記載を正しく理解するために、出願分割の基礎となった明細書やパリ条約優先権の主張の基礎となった外国語特許出願の明細書を参酌することも許されます。 |
[本件へのあてはめ] |
@本件特許発明と、出願分割の基礎となる原特許出願(進歩性の欠如により拒絶査定が確定)に係る発明とは実質的な差異がないから、分割出願の要件を満たしていないから、原特許出願を先願として先願主義違反となる蓋然性が極めて高く、また原特許出願と同じ先行技術に基づいて進歩性の欠如の無効理由も内包しているから、こうした特許権を行使することは権利の濫用として許されるべきではありません。 A特許請求の範囲に記載された「被着」の意義に関して、出願分割の基礎たる特許出願等の明細書に記載された「縫箔」の意義を超えて、導電物質を絶縁物質上にマスク蒸着し、CVDにより密着し、スパッタリングにより密着する技術手段を含むものと解することはできません。 |
[先の関連判決] |
[後の関連判決] |
平成10年(オ)第364号(キルビー判決・最高裁) |
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