[判決言い渡し日] |
1965年7月1日 |
[発明の名称] |
ステロイド化合物 |
[主要論点] |
進歩性の判断における示唆の程度の解釈(発明特定事項の付加) |
[判例の要点] |
複数の引用文献を組み合わせるときの進歩性の有無のテストは、特許出願人の発明を特定する事柄に対して明示的な示唆(express
suggestion)があるかどうかではなく、関連する引用文献の全体が示唆をしている(take
collectively would suggest)かどうかで考えるべきです。 |
[本件へのあてはめ] |
特許出願に係る発明は、要素A+B+C+Dからなり、抗炎症剤として用いられるステロイドであり、これに対して審判官は、当該発明が引用発明2(A+B+D)を参考として引用発明1(A+B+C)から自明である(進歩性がない)として特許出願の拒絶を支持しました。引用文献2から、要素D(ヒドロキシル化)の意義は、タンパク質を糖化して血糖値を上げるという薬剤の機能を損なわずに、人体に塩分を溜めるという不都合を改善できるという作用(本件発明の作用)を読み取ることができ、この示唆を引用文献1に開示された基本的な構成を適用することにより、特許出願人の発明に想到することが自明であると認められます。 特許出願人は、引用文献1、2に両者を組み合わせることに関して明示的な示唆がないと反論しましたが、引用文献1、2がともに同じ分野(薬剤)に属すること、相互に共通する多数の属性を有することを考えると、引用文献1、2が本件発明の構成へ至ることを集合的に示唆していると考えられます。 |
[先の関連判決] |
[後の関連判決] |
642 F.2d 413 (デジタルカウンター) |
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