[判決言い渡し日] |
1971年3月25日 |
[発明の名称] |
四輪車用ステアリングシステム |
[主要論点] |
進歩性の判断における示唆の程度の解釈(発明特定事項の変更・簡素化) |
[判例の要点] |
特許出願の請求項に係る発明の進歩性を判断する場合に、先行技術から当該発明の特定事項への示唆は明示的なものであることを要しません。 |
[本件へのあてはめ] |
特許出願人の発明は、自動車のステアリングシステムであって2位置弁(2position
valve)を利用してステアリングモードを変更できるものです。主引用例は、モードの変更により洗練されており、手動操作をする必要のない高機能の3位置弁(3position
valve)を用いている点で特許出願人の発明と相違していますが、2位置弁を自動車用のステアリングシステムに用いることは副引用例に開示されています。シンプルな低コストのシステムに興味のある当業者にとって、主引用例の3位置弁を2位置弁に置換することは予期しない効果を伴わずに実行できるため、容易と認められます。 特許出願人は、システムの特定の構成を変更することに関しての示唆が先行技術文献中に存在しない旨を主張しています。しかしながら、こうした場合に明示の示唆(3位置弁を別のタイプの弁に変更できるという如き)は必要とされず、類似のシステムに2位置弁が採用されていることが特許出願人の発明に想到するために十分な示唆となります。 |
[先の関連判決] |
347 F.2d 847 In re
Rosselt [進歩性の判断においてはexpress suggestion (明確な示唆)は必要ない] |
[後の関連判決] |
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