[判決言い渡し日] |
1983年7月25日 |
[発明の名称] |
チューブ状押出成形品 |
[主要論点] |
進歩性の引用例適格性としての“合理的に関連”(Reasonably Pertinent)の意味、2次的考察の考慮の必要性、特許の有効性の推定 |
[判例の要点] |
@(進歩性判断で考慮するべき)先行技術の範囲は、特定の問題に合理的に関連するかどうかです。発明の適用対象である素材の特異であることが特定の問題と関係なければ、その特異性の有無の相違を以て引用文献の適格性を否定することはできません。 Aいわゆる2次的考察が主張されたとき、裁判所は常にこれを考慮する必要があります。 B特許出願の審査での引用文献より本件発明に近似する先行技術を訴訟において示しても、単にそれだけでは特許の有効性の推定を崩し或いは弱めることにはなりません。 |
[本件へのあてはめ] |
@本件発明者が直面した問題は、“炭化水素燃料の流れに起因するPTFE製チューブにおける静電気の蓄積を防止し、かつ当該燃料の漏れを回避すること”です。PTFEの特異な属性はこの問題の性質を変化させるものではないから、PTFE製ホースを対象とする本件発明に対してゴム製のホースの先行発明は合理的な関連性を有します。 A商業的成功という2次的考察は、進歩性の判断が微妙なときにのみ判断するべきものではなく、その点において下級審の判断は誤りです(但し最終的な結論には影響なし)。 |
[先の関連判決] |
In re Wood 599 F.2d 1032 |
[後の関連判決] |
詳細を知りたい方はこちらをクリックして下さい |
見出しへ戻る |