[判決言い渡し日] |
平成26年9月24日 |
[発明の名称] |
芝草品質の改良方法 |
[主要論点] |
用途発明は一定の様式で表現される必要がある否か。新規性判断と発明の機序。 |
[判例の要点] |
特許出願の請求の範囲に用途発明を記載する場合に一定の表現形式をとらなければ用途を特定したことにならないという理由はありません。また特許出願人が新たな用途を提供しているか否かの判断材料の一つとして現象や発明の機序の相違が挙げられます。 |
[本件へのあてはめ] |
本件特許出願の請求の範囲に記載された「芝草の密度、均一性及び緑度を改良するためのフタロシアニンの使用方法」は、発明の用途を特定するものと認められます。被告(特許庁)は、用途発明として取り扱って新規性等を判断することができるのは、例えば「・・・を用いた芝草の緑度、密度及び均一性改良方法」「有効量を芝草に施用する、フタロシアニンを有効成分とする芝草の緑度(密度、均一性)改良剤」のように用途発明の形式で特定されている場合に限られると主張していますが、そのように解釈するべき理由はありません。 また「芝草の密度、均一性及び緑度を改良」とは植物の生長を促進するという意味(成長の結果として植物本来の緑を発現させる)であり、刊行物が枯れた芝生を緑色に着色して見かけ上の緑を実現するのとは技術的な意義が異なります。 着色剤と成長調整剤とでは、生じる現象及び機序が全く異なるものであ(る)から、本件特許出願を新規性の欠如により拒絶した審決は取消を免れません。 |
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