体系 |
商標制度に関する事項 |
用語 |
標章 |
意味 |
標章とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるものをいいます。
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内容 |
@法律上の商標は、商標を構成する要素に係る要件(標章であること)と、商標の使用に関する要件(業として商品の生産・証明・譲渡或いは役務の提供・証明をする者がその商品又は役務に使用すること)とで成り立ちます。
Aそして従来、法律上の商標としての“標章”は、視覚的に認識されるもの、特に静的なものと認識されていました。これは、商品に付されて市場を流通することにより出所表示機能を発揮していたという商標の歴史に由来すると考えられます。
しかしながら、商標が音声により広告され、コンピュータ画像技術により動的に表示され、ホログラム技術により見る方向により変わるというように、技術の革新を通じて、従来と異なる方法で需要者の知覚に訴えるようになると、これら新しい種類の商標に蓄積される信用にも保護を求める声が高まりました。そこで音の標章や動きの標章を含めるように標章の概念に平成26年改正で修正が加えられました。
B「人の知覚によって認識することができるもの」としたのは、何等かの感覚で需要者が認識することができ、それによって、商標の機能が発揮されることが必要だからです。現時点では視覚又は聴覚によって認識することができるものが対象となります。
C「文字、図形、記号、立体的形状」より、平面的標章及び立体的標章の何れも対象となります。立体的標章の例としては、矢羽印の万年筆の如くです。
→立体商標とは
D「若しくは色彩」より、色彩のみからなる標章も該当します。
単色又は複数の色彩の組み合わせからなる標章のいずれでも構いません。。
E「又はこれらの結合」より、平面的標章と立体的標章との結合、平面的標章又は立体的標章と色彩との結合も該当します。
F「音」より、聴覚で認識される標章が該当します。音の標章の構成要素としては、音楽、音声、自然音等が考えられます。例えばCMのサウンドロゴなどが該当します。
G「政令で定めるもの」 (イ)動きの標章
文字や図形等が時間の経過に伴って変化する標章です。例えばコンピュータ画面等に映されるロゴが回転したり、裏返ったりするようなものです。
(ロ)ホログラムの標章 文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する標章。
(ハ)位置の標章
文字や図形等を商品等に付す位置が特定されるものです。
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他法との関係 |
H特許出願の対象である発明に“構成”という概念がありますが、発明を特定するためには特許出願人が必要と認める事項を任意に用いることができ、物の形状・大きさ・色彩・属性などの要素を自由に選択できます。これに対して、標章では、構成要素は、条文や政令に定められています。例えば仮に触覚・味覚・嗅覚で認識される商標が成立しても、現時点では登録の対象にはなりません。登録の対象を明確化するためです。
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留意点 |
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