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 商標に関する専門用語
  

 No:  020   

商標出願の査定後/商標権/色彩の特則
/特許出願

 
用語

色彩の特則

意味  色違いの特則とは、商標権の効力上で、登録商標や登録防護標章にはこれと類似する商標・標章であって、かつ登録商標・登録防護標章と色彩のみを異にする商標・標章が登録商標または登録防護標章に含まれるとする規則をいいます(商標法第70条)。


内容 @現行の商標法は、色彩を商標の構成要素の一つであるとしました。
実際に商品や役務の用に供する物に使用される商標には常に色彩(商標の一部に現れる物の地色や透明を含む)があり、そうすると、登録商標と同一の文字・図形等であっても色彩が異なれば登録商標と同一ではないことになります。

しかしながら、現実の取引では、多少の色違い程度であれば同一の商標として扱われるのが通常です。

また僅かな色違いを理由として登録商標との同一性を否定されるのであれば、不使用取消審判(商標法第50条)を請求された場合を想定すると、全ての色違いの態様について商標の出願をし、登録を受け、さらに使用しなければならないことになり、不合理です。

そこでこうした問題に対処するために、色違いの特則が設けられました。

A登録商標に関する色違いの特則(商標法第70条第1項)
(a)商標法25条(専用権)、商標法第30、31条(使用権)、商標法第50条(不使用取消審判)などの規定における「登録商標」は、登録商標に類似しかつ登録商標と色彩のみを異にする商標(以下「色違い類似商標」といいます)を含むものと取り扱われます。

(b)登録商標との類似性を問題とするのは、類似でなければ社会通念上同一と扱われることがなく、それを専用権等の範囲に含めるのは不合理だからです。
 例えば他人の著名商標(文字商標)を自己の商標を構成する文字列の途中にとけ込ませ全然別の言葉に見えるようにして登録を受け、使用の際に他人の著名商標の部分を赤で、残りの部分を白で表現したような場合にも、自己の登録商標の使用となるとすれば、妥当ではないからです。

B登録防護標章の特則(商標法第70条第2項)
 商標法第4条第1項第12号(他人の登録の排除)、商標法第67条(禁止権の拡大)の規定における“登録防護標章”は、防護標章と類似であり、当該標章と色彩のみ異なる標章を含みます。

C“登録商標に類似する商標”の特則(商標法第70条第3項)
商標法第37条第1項(禁止権の効力)及び商標法第51条第1項(不正使用登録取消審判)の“登録商標に類似する商標”には、色違い類似商標は含まれません。

すでに専用権の範囲に含まれているからです。
なお、前述の文字商標の構成のうち他人の著名商標の部分だけを異なる着色をした場合、果たして元の登録商標と類似と判断されるかどうかという問題がありますが、仮に登録商標と類似であったとしても、上記不正使用登録取消審判を請求できると解釈されます。(※1)


他法との関係  特許出願の対象は技術的思想の創作であり、その技術内容には広がりがあるため、特許出願人の選択により発明特定事項を選択して広さを調節することができます。

 他方、商標の出願の対象は、識別標識であり、その内容は標準文字或いはイメージ(いわゆる商標見本)で具体的に決まるため、商標特定事項である色彩に関して、例えば“赤・青・白の何れか”というように幅を持たせて商標を特定することが許されません。こうした事情に鑑み、色彩の特則が認められています。


参考図書 (※1)…網野誠著「商標」

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