体系 |
商標制度に関する事項 |
用語 |
後発的無効事由 |
意味 |
後発的無効事由とは、商標出願人に対して商標権の設定の登録がされた際に有効であったものがその後に発生した事情により無効となる事由を言います。
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内容 |
@後発的無効事由の意義
商標出願人が本来登録されるべきでない商標を出願し、審査官がこれに気づかずに登録査定してしまったような場合には、その商標登録が無効となるのはある意味で当然であります。
しかしながら、商標権は公共性の高い権利であり、商標権の設定の際には有効であったものが、その後の事情により存続を認めるべきでなくなることがことがあります。
そこで商標法は、こうした場合に後発的な事由で登録を取り消すことができる場合について定めています。
A後発的無効事由の内容
(a)具体的には登録後で該当するものとなった場合が該当します。
・国旗・菊花紋章・勲章・褒章(以下「国旗等」という)又は外国の国旗と同一又は類似の商標(商標法第4条第1項第1号)
・パリ条約の同盟国・世界貿易機関の加盟国・商標法条約の締約国(以下「同盟国等」という)の国の紋章その他の記章のうち指定されたものと同一又は類似の商標(商標法第4条第1項第2号)
・国際機関を表示する標章のうち指定されたものと同一又は類似の商標(周知であるもの・誤認混同のおそれがないものを除く)(商標法第4条第1項第3号)
・日本国又はパリ条約同盟国・世界貿易機関の加盟国・商標法条約の締約国(以下「同盟国等」という)の監督用又は証明用の印章・記号であって指定されたものと同一又は類似の標章を有する商標(商標法第4条第1項第5号)
・公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標(商標法第4条第1項第7号) →後発的無効事由のケーススタディ
・商品又は役務の誤認を生ずるおそれがある商標(商標法第4条第1項第16号)
(b)無効審判を請求できる者は、利害関係人に限られます。 →後発的無効事由の利害関係人とは
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他法との関係 |
B他法との関係
特許法第123条第1項第7号には、外国人が特許後に特許権を享受できない者となったとき、或いは、特許後に当該特許が条約違反となったときには、無効事由となる旨が定められていますが、新規性・進歩性などの特許の基本的な要件において後発的な無効事由が生ずることはありません。
なぜならば、これらの要件は、原則として特許出願の時点で判断され、その後の事情には左右されないからです。
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留意点 |
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