体系 |
権利内容 |
用語 |
方法の発明の実施とは(実施行為) |
意味 |
方法(単純方法)の発明の実施とは、当該方法を使用することを言います。
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内容 |
①発明は無体物ですので、特許出願により書面で技術的内容を特定する必要があります。発明は、時の要素を含む方法の発明と、時の要素を含まない物の発明とに分類できますが、この分類の手法によると、物を生産する方法・物を使用する方法・物を測定する方法など、物に関連していても、時の要素を含む限りは方法の発明になります。特許法は、単純方法と、物を生産する方法とに分けて、前者に関しては当該方法の使用を発明の実施と認め、後者に関しては当該方法の使用及び生産された物の使用等を発明の実施と認めました。
②実施態様の相違から、特許出願の際に、自らのアイディアを単純方法の発明とすべきか、物の生産方法の発明とすべきかを特に慎重に検討すべきです(→物の生産方法の実施)。
③方法の使用とは、その方法の発明の本来の目的を達成し又は作用効果を奏するよう使用することです。
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留意点 |
上記②に関して、或る物質の測定方法の特許を取得し、この方法が他人の医薬品の製造行為において医薬品の品質検定のために使用されていた場合に、当該方法の使用の差し止めはともかく、医薬品は「侵害の行為を組成する物(物を生産する方法にあってはその物)」に該当しないので、その廃棄を認めないとされた事例があります(平10(オ)604号)。
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