体系 |
権利内容 |
用語 |
物の生産方法の実施 |
意味 |
物の生産方法の実施とは、当該方法の使用の他にその方法で生産した物の使用・譲渡等・輸出若しくは輸入・譲渡等の申出をいいます。
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内容 |
@特許法は、発明の保護及び発明の利用(公開による利用及び実施による利用)のバランスをとって産業の発達を図るものです。この原理は多くの国の特許制度と共通します。工業所有権の保護に関するパリ条約5条Aは、特許権者の発明の不実施に対する制裁を制限する規定ですが、この規定に関して、「発明の実施」とは一般に特許に係る物を大規模に製造すること(manufacture)と考えられています。Manufactureは産業革命後の産業の発展に極めて重要だからです。特許法は発明を物の発明と方法の発明とに分けましたが、後者にも物の生産・使用・測定など物の要素を含むものがあります。そこで特許法は方法を単純方法と物を生産する方法とに分けて実施態様を定めました。
A特許出願の際に明細書等を作成するあたり、無用の争いを避けるために単純方法・生産方法の選び方を考える必要があります。
・生物を肥大して養殖するアイディア→生物を肥大化させる養殖法or肥大生物の製造法
・静電塗装により車体を塗装するアイディア→車体を静電塗装する方法or静電塗装する工程を含む車体の製造方法
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留意点 |
Aに関して、マンホール枠を含む舗装の切削オーバーレイ工法が単純方法か物を生産方法かが争われた事例があります(平16(ワ)9208号)。
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