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1295 特許出願(外国)/Eディスカバリー |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
E-ディスカバリーにおける罰則 |
意味 |
E-ディスカバリーとは、米国の民事訴訟におけるディスカバリー(情報開示手続)のうち電子的に保存されているものに関するものをいいます。ここではE-ディスカバリーを実効あるものにするために定められた罰則について説明します。
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内容 |
①E-ディスカバリーにおける罰則の意義
裁判で争うには、沢山の情報が必要となります。例えば特許訴訟の場合において、被告が特許の有効性を争う際には、特許出願の際に発明者が知っていた先行技術に関する情報が問題となる可能性があります。
例えば特許出願よりも前に発明者が送信した電子メールの中に関連する先行技術であって特許出願の審査の結果を左右するものが記載されていれば、これを米国特許商標庁に提出する義務があり、これを怠ると特許無効の理由となります。
相手方から必要な情報を引き出すための手続として2006年改正の米国連邦民事訴訟規則(FRCP)ではディスカバリーが規定されており、このうち電子的に保存された情報を対象するものをE-ディスカバリーといいます。
これらの手続きを実効あるものとするため、規則違反の情報隠しなどに対しては厳しい罰則が課されることになっています。
②E-ディスカバリーにおける罰則の内容
(a)Monetary Sanctions
これは、金銭的な懲罰であり、通常の罰金の他に、弁護士費用(E-ディスカバリーに関するもの)を負担させる場合もあります。
特許に関する事例ではありませんが、妊娠した従業員(Zubulake
)の不当解雇の裁判で雇い主である被告会社が関連する電子メールを意図的に削除したとして、2900万ドルの制裁金が課された事例があります。なお、この裁判の判決(ズブレイク判決)は、E-ディスカバリーの判断基準となるリーディングケースです。
Zubulake v. USB Warburg(SDNY 2004) →E-ディスカバリーのケーススタディ
(b)Adverse Inference Instruction
これは、規則違反を行った当事者に不利となる事実を推定することです。
例えば原告が被告に対して特許侵害訴訟を示唆した後でありながら、被告会社では、訴訟ホールドが徹底されず(→訴訟ホールドとは)、結果として、原告に有利な証拠を含む可能性のあった電子メールが、従業員らの使用していたパソコンの自動削除機能により削除されたため、被告に不利な推定が行われたと言う事例があります。
Apple Inc. v. Samsung Electronics Co., LTD, et al., No. C 11-1846
→不利な推定(Adverse Inference)とは
(c)Evidentiary and Testimony
Limitations
これは、規則に違反した当事者の主張をサポートするための証拠や証人の採用を制限することです。
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留意点 |
前述のようにE-discoveryの罰則は厳しく、このために、近年の裁判では、E-ディスカバリーを仕掛ける側は、それによって自分な有利な証拠を見つけるよりも、自分に有利な証拠が抹消された事実を見つけることに重きを置いている感があります。従って相手方に付け入る隙を与えないように訴訟ホールドを行うことが重要です。
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