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1314 Status conference/特許出願 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Status conference (状況確認会議) |
意味 |
Status
conference(現状確認会議)とは、裁判に先立って裁判官と原告及び被告双方の代理人とが現状を確認するために行う会議です。
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内容 |
①Status conferenceの意義
(a)米国の民事裁判では事実審理(トライアル)の前に証拠開示手続(ディスカバリー)が行われます。
例えば特許侵害訴訟であれば、特許の有効性に関する情報収集のために、特許出願の手続に携わった関係者に事情を聞くとか(deposition)、特許出願に関連する事柄(審査を含む)に関するメールの提出を要求する(E-Discovery)などです。こうした手続は、通常膨大な時間がかかるために、裁判官が直接関わることが難しく、基本的に当事者双方の間で進められます。
しかしながら、証拠の開示の手続を完全に当事者に委ねると、裁判で自分の方が分の悪いと考える当事者が不利な状況を挽回するまで証拠集めを続けようとする結果、ディスカバリーの手続はいつ終わるか分かる恐れがあります。
そこで裁判官が臨席した場で現状を確認し、ディスカバリーのスケジュールを立てるために行われるのが、現状確認会議です。
(b)現状確認会議の手続は、連邦民事訴訟規則(Federal Rules of Procedure)に定められています。
(c)具体的には、ディスカバリーの種類としては、Interrogatory(質問状)・Request for Production of
Document(書類提出要求)・Deposition(事情聴取)・E-discoveryなど幾つかの種類がありますが、そのうちどれが行われているのか、和解交渉が進められているのかなどが裁判官に報告されます。
②Status conferenceの内容
実務上では、裁判所は、現状確認会議でディスカバリーの進み具合に関して報告を受けるだけでなく、その報告に基づいて、裁判の進行を早めるために当事者に命令を出す場合があります。
例えば特許を侵害していないことの確認を求めたベッドフレーム事件では、地方裁判所は、当事者に対して特許の有効性に関する略式判決の動議を提出するように命じました(CAP
EXPORT, LLC v. ZINUS,INC.No. 2017-1540)。
地方裁判所は、ディスカバリーに開示された情報の中から特許出願前に公開された先行技術が存在すると確信し、特許の有効性を否定する略式判決を出せば、特許の有効性以外の論点に関する審理の時間を節約できると考えたものと推察されます。
しかしながら、地方裁判所の判断は、控訴審において覆されます。
特許無効の理由とされた技術(インターネット上で公開されたもの)が本当に特許出願の日に先行する(predate)か否かの議論が尽くされていないと判断されたからです。
→Summary Judgementのケーススタディ1
“急いては事を仕損ずる”という格言は裁判手続にも当てはまるということのようです。
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留意点 |
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