No: |
1471 Question of fact
CS1/特許出願/禁反言 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Question of factのケーススタディ1 |
意味 |
Question of
fawとは、欧米法の裁判において事実の認定に関する問題に関して設定された問い掛けを言います。
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内容 |
①Question of fawの意義
(a)裁判所において事実の認定に関する問題を、事実問題と言います。 →事実問題(matter of fact)とは
(b)Question of factは、裁判において事実問題を判断する任務を負う者(trier of
fact)に対して、裁判官が問い掛ける形で設定される設問です。
(c)事実問題及び法律問題を区別することは裁判の実務では必須ですが、一般人である陪審が自分達だけで理解することは困難です。
そこで裁判官が、陪審の理解を補助するための助け舟(アドバイス)として陪審教示を行います(→陪審説示(Jury
instruction)とは)
この陪審説示では、特許制度(特許出願の意味合いや特許権など)の概要の説明がありますが、事実審としての争点の説明も含みます。
具体的には、裁判官が事案の内容に応じて事実問題のうちで争点となりそうな箇所をピックアップして、陪審に対する問いかけと言う形で提示するのです。
②Question of factの事例の内容
(a)一般に特許クレームの解釈は、法律問題であると理解されていますが、事件の内容によっては事実問題として扱われます(→TEVA判決とは)。
具体的には、特許出願人がクレーム中で「分子量」という用語をある物質の量を規定しており、これに関して、複数の意味(例えばピーク平均分子量・数平均分子量・重量平均分子量)に解釈する余地があるとします。
こうした場合にクレーム中の分子量の意味はどう解釈するのが妥当かであるかを裁判官が陪審に問うのは、Question of
factとなります。
(d)当然ながらクレーム中の技術用語の解釈の全てに対して、“Question of
fact”が設問される訳ではありません。
前述の事例の“分子量”のような表現は、不正確な表現であり、例えば科学用語事典をひく程度では正しく意味を理解することができません。
例えば水の沸点を“100°F”と誤記したという如く、前後の文脈から本来の意味(“100℃”)が直ちに理解できる訳でもありません。
専門家同士でも意見が分かれるようなものであるため、陪審による審理を通じて慎重に判断するべきと考えられたのです。
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