内容 |
@事業者にとっては、たえず他人の特許出願の動向に注意を払い、自らの事情活動の障害となるような権利が成立することを阻止するために、情報提供が有用で簡易な制度です。特許権が成立した後に行う無効審判や異議申立制度に比較して、コストが安く、事業の継続性が担保でき、必要により、自らの関与を相手方に知られることを回避できるからです。
A情報提供は、特許出願の拒絶理由や無効理由のうち、新規事項の追加(17条の2第3項)、発明性・産業上の利用可能性(29条1項柱書)、新規性の欠如(29条1項各号)、進歩性の欠如(同2項)、拡大された先願の地位(29条の2)、先願主義違反(39条第1項〜4項)、明細書の記載要件違反(36条第4項第1号)、先行技術文献情報開示要件違反(36条第4項第2号)、特許請求の範囲の記載要件違反(36条第6項1〜3号)、原文新規事項追加(36条の2第2項)です。
単一性の要件違反などは対象となりません。
B情報提供は、書面により行う必要があります。ビデオテープなどを提出することはできません。
C提出できる書類の種類は、刊行物又はその写し、特許出願又は実用新案登録出願の明細書・請求の範囲・図面、実験報告書などの報告書などです。
D情報提供に際しては、刊行物等提出書を提出します。
E情報提供は、匿名ですることができます。特許庁としては、審査に役立つ情報が手に入れば、情報提供をする者が誰だか判らなくても構わないからです。
F匿名での手続を希望するときには、刊行物等提出書の〔氏名又は名称〕の欄に「省略」と記載します。
G情報提供者の希望により、提供された情報が審査に利用されたか否かが連絡されます。
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