パテントに関する専門用語
  

 No:  395   

特許出願の処理/包袋禁反言・均等論

 
体系 特許出願の審査
用語

包袋禁反言の原則と均等論

意味  包袋禁反言の原則は、均等論の適用範囲を規制する役割を果たします。

内容 ①均等論の機能は、特許権の効力を、特許請求の範囲の文言通りの範囲から、均等の範囲(その文言中の特定の用語を同一の機能を発揮する別の用語に置き換えた範囲)まで拡張することです。他方、包袋禁反言の原則の機能は、特許出願の経過(例えば発明の内容に関する特許出願人の釈明など)に照らして、特許権の効力が信義則に反するところまで及ばないようにするということです。従って両者は、真逆の方向性を有するものです。

②そして包袋禁反言の原則の重要な役割として均等論の適用範囲を規制するということが挙げられます。、

③均等論の原則の適用の第5条件は次の通りです(ボールスプライン事件)。

 対象製品等が特許出願の手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がないこと。

④過去の判例によると、包袋禁反言の原則以外の理由でこの特段の事情が考慮されることはまずありません。包袋禁反言の原則は、均等論の要件の中に組み込まれており、それにより均等論が予想外の範囲まで及ぶことを防いでいるのです。

⑤具体的には、発明の範囲に対する限定的な意見により均等論が制限される場合と、特許出願の請求項の補正により均等論が制限される場合(→包袋禁反言の原則と補正)とがあります。

⑥前者の例として、平成19(ネ)第10096号(人工魚礁事件)があります。

(イ)これは、通水性ケースにカキ殻を充填するという構成により、ケース内に生物の居住穴が形成されるという作用・効果が明細書に記載されており、そして拒絶理由通知(進歩性の欠如に関する)に対する意見書において、引用文献にはカキ殻を利用するものではない、と反論をして特許になったケースです。

(ロ)訴訟において、カキ殻の均等の範囲にホタテ殻が含まれるかどうかが争われましたが、均等は認められませんでした。

(ハ)裁判所は、居住穴とは貝殻の凹みのことであり、貝の種類により凹みの程度は異なる、特許出願人がカキ殻に限定して先行技術との相違を主張しているのであるから、その主張と矛盾する権利範囲の主張は信義に反すると判断しました。


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