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425 特許出願の処理(外国)/裁判所/控訴 |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
Supreme Court |
意味 |
Supreme Court(of the United States)とは、アメリカ合衆国連邦の最上級の裁判所です。
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内容 |
①日本の最高裁判所と異なり、アメリカ合衆国のSupreme Courtは審理する案件を自らの裁量で決定します。
(イ)その決定をした後に、下級裁判所に当該案件に関する一件書類の移送を命ずる令状を、a writ of certiorariといいます(writは令状という意味、certiorariは知らせるという意味です)。
(ロ)案件の当事者がSupreme Courtに審理を求めるときには、所定期間内にpetition for a writ of certiorariという書面を提出する必要があります。
②特許に関しては、特許出願の要件である進歩性(非自明性)に関して、Supreme Courtは1966年にグラハムテストという重要な指針を示しましたが、当事者が上告したら直ちに審理が開始されたわけではありません。
(イ)グラハム事件の前に、グラハムの先行発明(基本発明)の訴訟が2件あり、当事者が原告・被告入れ替わってpetition for a writ of certiorariを提出しましたが、いずれも却下されていました。
(ロ)さらにグラハム事件と同時期にクック事件(商業的成功の評価が争われた事件)やアダムス事件(他人の失敗などが争われた事例)があったため(→383 U.S. 39)、非自明性の判断手法に関してさまざま疑義が生じていました。そこでグラハム事件とクック事件とを併合する形でSupreme Courtの審理が開始されたのです。
③もっともSupreme Courtは、近年、他の分野に比べると特許の分野では比較的多くの判決を出していると言われます。特許の分野では、CAFCという特許訴訟を専属管轄とする裁判所があり、このCAFCの判決が特許出願・訴訟などの実務で大きな影響力をもっています。例えばCAFCの判決がSupreme Courtの先例(例えばグラハム判決)から乖離してくると、Supreme Courtがこれを修正するという傾向が見受けられます。
④Supreme Courtが特許の分野で示した判断の一つとして、Strong Presumption of Patent Validity(特許の有効性の強い推定)を認めたことが挙げられます。
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留意点 |
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