体系 |
実体法 |
用語 |
Strong Presumption of Patent Validity |
意味 |
Strong Presumption of Patent Validityとは、米国法(35 U.C.S. 282)の「特許は有効なものであると推定される」の解釈に関して、この推定は明確で説得力のある証拠(clear and convincing evidence)によらなければ覆らないとする解釈方法です。
Supreme Court(最高裁判所)もこれを支持しています。
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内容 |
①米国では特許出願をして行政機関(USPTO)の審査を経て特許になったのだから、行政機関の判断を信頼して特許の有効性を推定することにしています。そして特許訴訟を管轄するCAFCは、従来、この推定を覆す証拠のレベルとして、明確で説得力があること(clear and convincing)という厳しいスタンダートを適用していました。
②しかしながら、アメリカには、民事訴訟において証明度の原則として、“証拠の優越”(preponderance of the evidence)があれば足りるという別のスタンダードがあります。このスタンダートはより緩やかなものです。
③Microsoft v. i4i Limited Partnership訴訟において当事者の一方(Microsoft)が次の主張を行いました。
(イ)特許出願の審査においてUSPTOが先行技術としていない証拠に基づいて非自明性(進歩性)が欠けると主張しようとするときには、“明確で説得力がある”というスタンダードより低いスタンダードを適用するべきである。
(ロ)そのスタンダードは、“証拠の優越”の原則によるスタンダードが妥当である。
④Supreme Court(最高裁判所)は、この事件を審理して、CAFCの先例を支持しました。長年に亘り、clear and convincingが裁判の実務において定着しているということを尊重したためです。 →Presumption of Patent Validity
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留意点 |
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