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 パテントに関する専門用語
  

 No:  427   

進歩性/特許出願の要件(外国)/有効性推定

 
体系 実体法
用語

Presumption of Patent Validity

意味  Presumption of Patent Validityとは、アメリカ特許法において特許は有効なものであると推定されるということです。

内容 @Presumption of Patent Validityの意義

(a)行政機関(USPTO)が米国特許出願に対してPatentを付与した後でも、第三者はその有効性に関して争うことができます。しかしながら行政機関の判断が尊重されないと、発明者が費用と時間とをかけて特許出願をする意味が不当に削がれることになります。

(b)そこで米国法(35 U.C.S. 282)では、特許の有効性の推定について規定しています。

(イ)特許は有効なものであると推定される。

(ロ)各請求項の特許は、記載形式が引用形式であるか独立なものであるか否かと関係なく、相互に有効性を推定されます。

(ハ)有効性の推定を覆して特許が無効であることを証明する義務は、無効であることを主張する側に2存在します。


(c)無効理由としては、次のものがあります。

(イ)発明が法定の主題でないこと

(ロ)発明が有用でないこと

(ハ)新規性がないこと

(ニ)自明であること(進歩性がないこと)

(ホ)明細書の開示要件を満たしていないこと


(d)特許の有効性は、裁判(侵害訴訟又は特許の有効性確認訴訟)の他に、USPTOの再審査で判断されます。

(e)もっとも再審査においては特許の有効性は推定されないというのが判例の傾向となっています。

 In re Successor in Interest to Andersen (1984)、 In re Etter (1985)

 この再審査の場合には、証拠の優越(preponderance of the evidence)を以てクレームを拒絶できることになります。
当事者系レビューにおける立証責任


APresumption of Patent Validityの内容

(a)特許の有効性の推定を覆すには、特許が無効であることが明確かつ説得力のある(clear and convincingevidence)証拠によって証明することが要求されます。

(イ)もっとも特許訴訟において、相対的に低いレベルの証明で足りると解釈するべきだという主張が展開されることがあり、これに対してclear and convincing evidenceを要求することをいう特許有効性の強い推定(Strong Presumption of Patent Validity)ということがあります。

(ロ)Supreme Court(最高裁判所)は、特許有効性の強い推定(Strong Presumption of Patent Validity)を肯定しています。→Microsoft v. i4i Limited Partnership

(ハ)特許の有効性の推定の根拠はUSPTOが特許出願を審査して権利を付与したことにありますので、USPTO が考慮していない理由(例えば審査に現れていない先行技術に関しては推定の根拠が薄れるということが当事者によってよく主張されます

(ニ)しかしながら、特許の有効性の推定は簡単には覆らない(単純に特許出願の審査で引用されたものより関連性のある先行技術を示したら自動的に覆るというものではない)と認識するべきです。
Presumption of Patent Validityのケーススタディ1

(ハ)さらに特許出願の手続において一般的なエラーが存在する可能性があることを指摘しても特許の有効性の推定は覆りません。

 但し、特許出願の手続において審査官がした特定のエラー(補正における新規事項の是非の判断の誤り)が特許の有効性の推定を弱める可能性に関して事例があります。
Presumption of Patent Validityのケーススタディ2


留意点

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