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510 新規性進歩性審査基準/特許出願の要件/発明の要旨 |
体系 |
実体法 |
用語 |
発明の要旨 |
意味 |
発明の要旨とは、本来、特許出願の出願書類に開示された発明のうちで特許出願人が保護を求めている部分という意味であり、請求の範囲に記載した発明が該当します。
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内容 |
@発明の要旨の意義
特許出願の書類は、発明を開示する書面(技術文献)としての性質を有するため、発明を実施するために好適な具体例(実施例)まで記載する必要があります。そうなると、上位・中位・下位のように複数の段階で開示された技術のうちどの部分が特許出願人により保護が求められている部分であるかを明らかにする必要があり、そのためにかつて実務上で用いられていた概念が「発明の要旨」です。
A発明の要旨の認定
新規性・進歩性審査基準は、発明の要旨の認定の考え方を次の判例を引用して解説しています。
“特許出願に係る発明の新規性及び進歩性の審理にあたっては、この発明を
29条1項各号所定の発明と対比する前提として、特許出願に係る発明の要旨が認定されなければならないところ、この要旨認定は、特許請求の範囲の記載の技術的意義が一義的に明確に理解できないとか、あるいは一見してその記載が誤記であることが明細書の詳細な説明の記載に照らして明らかであるなどの特段の事情のない限り、特許請求の範囲の記載に基づいてされるべきである。(昭和62(行ツ)3)
特許請求の範囲に“基づいて”とは、要するに、特許請求の範囲に余分の限定を加えること(例えば消化酵素の一種であるリパーゼを下位概念であるRaリパーゼとすること)をしてはならないという意味です。
→発明の要旨のケーススタディ1
Bまた新規性・進歩性審査基準では別段の事情はなくても明細書の詳細な説明を参酌するべき場合を解説しています。 →発明の要旨の認定(特許出願の明細書の記載が参酌される場合)
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留意点 |
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