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 パテントに関する専門用語
  

 No:  517   

特許出願の流れ/出願公開後1

 
体系 特許申請及びこれに付随する手続
用語

出願公開後の特許出願の流れ

意味  ここでは特許出願の流れのうち出願公開の後の部分に関して説明します。

内容 @特許出願の流れと出願公開との関係

(a)特許出願は、新規発明の公開の代償として特許権の付与を請求する意思表示です。従って特許権が付与される迄は、発明は公開されないと思われがちですが、特許法は早期公開制度である出願公開を採用しています。強制的に発明が公開されるため、特許出願人としても、手続の流れに関して留意するべき点があります。

(b)出願公開が行われると、特許出願人がした出願の存在が第三者に明らかになります。特に同業者にその存在が知られることで、特許出願の流れに対して2つの影響を生じます。

 第1に、当該特許出願が同業者の監視下に置かれ、場合によっては権利化を阻止しようという傾向を生ずることです。

 第2に、第三者が当該特許出願を技術文献として或いは実施によって利用しようという傾向を生ずることです。

(c)同時に出願公開の時期になると、それまで特許出願人が知り得なかった先願発明もそれぞれ出願公開により探知可能となります。

A出願公開後の特許出願の流れのうち本人(特許出願人)の行為に起因するもの

(a)特許出願後の特許調査

(イ)特許出願人は、検索システム(特許情報プラットフォームなど)を利用して先行する他者の特許出願を再検索することができます。これにより自身の特許出願の権利化の可能性を再検討することができます。

(ロ)特許調査の結果として権利化の有望性を確認できた場合には、特許出願人は出願審査請求を行うことができます。

(ハ)また特許調査の結果、現在の請求の範囲を減縮すれば権利が期待できる場合には、特許出願人は請求の範囲の補正を行うことができます。

(ニ)もっとも自分の特許出願の権利化が期待できても、他人の先行する特許出願の保護範囲に包括される場合には、将来他人の特許発明との利用関係が成立する可能性があり、そうなると他人の同意を得ないと自分の発明を実施できなくなります。

 そうした可能性がある場合には、自分の方が他人の特許出願を監視する必要が生じます。
出願公開後の特許出願の流れ(第三者による監視業務)

(b)特許がなされた後に補償金請求権を行使する旨の警告

(イ)特許出願人は、自分の特許出願の請求の範囲に記載された発明について、出願公開後特許権の設定登録前に業として実施している他人に対して、事前の警告をすることを条件として、特許権の設定登録後に補償金を請求することができます。
補償金請求権とは

(ロ)もっとも警告といっても、多数人に配布される業界紙において警告をする程度では足りません。相手を特定して行うことが必要だからです。

(ハ)従って特許出願人は、出願公開後には業界内での他者の動向に目を配り、自分の特許出願に係る発明が無許可でされていないかどうかを監視することが奨励されます。

B出願公開後の特許出願の流れのうち第三者の行為に起因するもの

(a)出願公開後に上記特許出願の権利化を阻止したいと思う第三者が当該特許出願の発明に関して先行技術を調査し、特許庁に対して情報提供することが考えられます。
情報提供とは

(b)情報提供の内容は特許出願人に対して伝えられます。

(c)特許出願人は、直ちにこの情報提供に対して特許庁にアクションをとる必要はありません。その情報が的外れのものである可能性もあるからです。

 審査官が提供された情報を引用例として採用し、拒絶理由通知を特許出願人に通知したときに、その拒絶理由に対して反論すれば十分です。


留意点

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