No: |
575
デジュール標準/オープン&クローズ戦略/進歩性審査基準/特許出願 |
体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
デジュール標準 |
定義 |
デジュール標準(de jure
standard)とは、国際機関などの公的機関により策定される標準です。
|
内容 |
@デジュール標準の意義
(a)物事は、自由に放置すれば、多様化・無秩序化していくもので、産業活動でのそれは、経済効率の低下を招きます。経済活動に係る事柄を少数化・単純化することは、国などの公的機関の重要な役割の一つです。
(b)日本で一番馴染みのあるデジュール標準は、日本工業規格(JIS)であります。その機能を経済活動の面でまとめると、次の通りです。
(イ)製品の適切な品質を設定すること。
(ロ)製品の売り手及び買い手の双方に製品情報を的確に提供すること。
(ハ)技術の普及を図ること。
(ニ)生産効率の向上を図ること。
(ホ)製品間の性能の客観的な比較を可能として競争環境を整えること。
(ヘ)互換性・インターフェースの整合性を担保すること。
(b)さらに国際的なデジュール標準として、国際標準化機構(ISO)が定めた規格があります。
(c)デジュール標準では、デファクト標準と異なり、技術標準が成立した後に製品化が行われることが一般的です。
(d)デジュール標準は企業のオープン&クローズ戦略と密接な関連があります。オープンした技術を他者が採用し易い環境を整えるためには、当該技術が標準化されていることが好ましいからです。
Aデジュール標準の具体例
上述のJIS、ISOの他に、例えば国際電気標準規格(IEC)などによる標準があります。
Bデジュール標準と特許の活用及び取得(特許出願)との係わり
特許出願の明細書は、技術内容を客観的に理解し、比較できるものであることが必要であり、そのためには、JISやISO規格・IEC規格により定められた定義などに準拠した標準的な記載方法を用いることが望まれます。仮にこうした標準的な記載方法を用いずに物の特性・機能を用いて請求の範囲で物を特定しようとした結果、特許出願の審査において先行技術との厳密ができないと審査官に判断された場合には、審査官は厳密な対比を行わずに同じ物であるとの一応の合理的疑いを抱いた段階で拒絶理由通知を出すことがあります(新規性進歩性審査基準)。
→一応の合理的疑いとは
|
留意点 |
|
次ページ
※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 |
|