体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
オープン&クローズ戦略 |
意味 |
オープン&クローズ戦略とは、事業者が保有する特許群をコア技術とそうでないものとに分けて、前者については実施を独占(クローズ)するとともに、後者に対しては他人に実施を許す(オープン)戦略をいいます。
|
内容 |
@オープン&クローズ戦略は、他社に公開又はライセンスを行うオープン戦略と、技術などを秘匿又は独占的に実施するクローズ戦略との組み合わせです。
Aすなわち、他社に対して自社の技術の一部をオープンすることで、市場への他社の参入を誘導し(イノベーションの誘発)、その反面、自社が独占すべきコア技術をクローズして、自社の利益拡大することです。オープンする技術とクローズするための戦略的な選択を行うことが重要です。
Bオープン&クローズ戦略の先駆けは、アメリカのインテル社です。インテル社は、PC周辺機器(マザーボード)の製造技術をアジア企業に開示する反面、CPUに関する技術は、自らが死守するべき領域とし、特許出願して実施を独占しました。
Cオープン戦略の手法としては、技術の標準化(→技術標準とは)、無償許諾によるデファクト化、特許出願した技術に関してライセンスを行うこと(クロスライセンスを含む)があります。
Dクローズ戦略としては、独自技術などを秘蔵化(ノウハウ)、特許出願により技術を特許化→独占的実施・権利侵害行為の差止などがあります。
|
留意点 |
Dに関して、ノウハウとしての技術の秘蔵化は、例えば工場などで実施されている製造方法などが対象となります。例えば市場を流通する製品に使用される技術であり、特許出願して国家に発明を開示しなくても、リバースエンジニアリングによりライバル社に内容を知られてしまうような技術をノウハウ化しても意味がありません。また製造方法などであっても、自社の従業員の退職などにより、技術が漏出する可能性があり、それを予防する対策が必要です。
|