内容 |
①ホールドアップ問題とは、標準必須特許を有する権利者が、技術標準の実施者に高額の実施料の請求などの過酷な権利行使をすることです。
②事例 JPEG事件(2002年)
(a)この事件の概要は、JPEG標準規格について、関連する特許出願(或いは特許)を有しながらも標準化に参加しなかったCompression
Labs(以下Cという)を買収したForgent(以下Fという)から特許権行使がなされたというものです。
標準化団体が、特許調査を行い、無効事由の発見に努めた結果、請求項の一部減縮に持ち込むことに成功し、本事件は和解で終結しました。
(b)具体的には、CはJPEG標準規格の策定会議のメンバーでありながら、規格に関連する特許出願をしたことを直ちに標準化団体に報告せず、当該特許出願に対して特許処分があった後に報告しました。
(c)策定会議での話し合いを参考にして特許出願の明細書を書いたのではないかという疑義が他のメンバーに生じました。
(d)Cは、この特許をJPEGに対して行使しないと言いましたが、その後策定会議には出席しなくなりました。
(e)Fは、1997年にCを買収し、その結果として、この特許を取得しました。
(f)Fは、JPEG規格に参加する多数の企業を提訴しました(2002年)。
(g)各社は、Fの特許に関して米国特許商標庁に再審査を請求しました(2005年)。 →再審査とは(米国特許の)
(h)再審査の結果として、請求項の一部が減縮され、本件は和解により決着しました。
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