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604 特許の活用/特許出願/ホールドアップ問題/ケース3 |
体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
ホールドアップ問題のケーススタディ3 |
定義 |
ここでは過剰な特許の活用の例として、ホールドアップ問題の実例(Dell事件)を紹介します。
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内容 |
@ホールドアップ問題とは、標準必須特許を有する権利者が、技術標準の実施者に高額の実施料の請求などの過酷な権利行使をすることです。
A事例 Dell事件(1995年)
(a)本件は、VLバスの技術標準に関するホールドアップ問題です。
(b)Dell
社(以下Dという)は、上述のVLバス規格の標準化の過程において自己の特許出願(或いは特許)を開示しませんでした。結果として、必須特許を秘匿し、標準策定後にその保有する特許権を行使しました。
(c)これに対して、米国連邦取引委員会(FTC)は、審判を開始しました。
(d)審判において、Dの行為は標準化及び標準採用に悪影響を与え、標準の利用及び競合する標準化のコストを上昇させ、不合理に取引を制限したとしてFTC
法5 条に違反すると判断されました。
(e)同意審決によりDは、上記標準関連特許を行使しないことになった。”
B本事例では、DはFTCの判断に従ったために、権利行使には至りませんでしたが、この後の事例では、権利者がFTCの判断を不服としてこれを争い、同時に多数の標準実施企業に対して権利行使が行われたケースもあります。
→ホールドアップ問題のケーススタディ2
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留意点 |
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