No: |
730
KSR判決と非自明性の考え方2/特許出願(外国)/進歩性審査基準/KSR |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
MEPE抄録-KSR判決と非自明性(進歩性)の規定の考え方2 |
意味 |
米国のMEPEは、判例を中心として特許出願の審査の考え方を示したテキストであり、日本での進歩性審査基準と同様に位置づけられています。ここでは、進歩性に関する新旧2つの判決(KSR判決及びグラハム判決)に関するMEPEの解説を紹介します。
|
内容 |
①MEPEの解説抜粋
KSR判決において、最高裁判所は、特に“先行技術中の要素同士の組み合わせによる特許を許可するときの注意”を強調し(415, 82
USPQ2d at 1395)、そして特許が自明であろうと考えられる状況について言及した。
特に重要なことは、最高裁判所がこれまでの裁判例で示された原則を確認したことである。その原則は、よく知られた要素(familiar
element)を公知の方法に適用することは予期せぬ結果(predictable
result)を奏するのでない限り、自明である、ということである(415-16, 82 USPQ2d at 1395)。
最高裁判所によれば、グラハム判決以後の次の判決がこの原則を示している。
(1)In United States v.
Adams
“当裁判所は、特許がクレームする構造が先行技術において既知であり、その技術において一つの要素から他の要素に置き換えたものに過ぎないとき、その組み合わせは、予期せぬ結果を生じるものではない。”
(2)In Anderson’s-Black Rock, Inc .v. Pavement Salvage Co.,
“2つの(既に存在している)技術が、単独で存在しているときと同じように逐次作用するに過ぎないとき”(それらの技術の組み合わせは自明である)416-417,82
USPQ 2d at 1395
(3)In Sakraida v. AG Pro, Inc.,
“複数の古い要素を、既知の態様で同じ機能を発揮するようにアレンジし、そのアレンジから期待される以上のものを発揮しないときに、その組み合わせは自明である。”
417, 82 USPQ2d at 1395-95
これらのケースから読み取れる原則は、特許出願の発明が先行技術の要素の組み合わせであるときに、当該発明が自明であるかどうかを判断する上で参照されるべきである。
→KSR判決と非自明性(進歩性の規定)の考え方(MEPE)3
|
留意点 |
|
次ページ
※ 不明な点、分かりづらい点がございましたら、遠慮なくお問い合わせください。 |
|