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783 補助事実/特許出願/進歩性審査基準/ |
体系 |
実体法 |
用語 |
補助事実 |
意味 |
補助事実とは、証拠の信用力を高める事実をいいます。
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内容 |
①補助事実の意義
(a)裁判においては、ある法律の適用要件に該当するという事実(→要件事実)は当事者が証明しなければなりません。
(b)要件事実の存在は証拠によって立証されなければなりませんが、その証拠の評価は、裁判官の自由な心証に委ねられます(→自由心証主義)。
(c)その際に、その証拠を裏付け、裁判官による採用を補助するような事実が補助事実です。
②補助事実の内容
(a)例えば審決取消訴訟において特許出願に係る発明の進歩性が審理される場合、発明の容易想到性がある(進歩性がない)という結論を導く要件事実として、引用文献に記載されていた発明の構成(課題解決手段)や発明の効果の記載があります。
(b)進歩性審査基準によれば、引用発明と比較した有利な効果は進歩性を肯定的に評価するために役立つ事項として参酌されます。
(c)例えば特許出願人の発明は、引用文献1及び引用文献2の単なる組み合わせに過ぎないように思われる場合であっても、その組み合わせにより当業者が予期し得ない効果、技術常識から推測されるのと正反対の効果が発揮されるときには、進歩性が認められ易くなります。
(d)こうした事情が特許出願の時に存在したことを専門家に裁判で証言させれば、補助事実となります。
③補助事実と無効審判等との関係
補助事実の証拠を審判請求後に提出しても無効審判の要旨の変更とはなりません。 →審判の要旨の変更とは
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留意点 |
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