パテントに関する専門用語
  

 No:  863   

形成力/特許出願/無効審判

 
体系 権利内容
用語

形成力

意味  形成力とは、或る種の判決において法律関係の変更を生じさせる効力を言います。


内容 ①形成力の意義

(a)形成力は、形成判決が確定したときに、既存の法律関係の変動を生じさせる効力です。
(→形式的確定力とは)。

(b)行政処分が違法であるときに、裁判所が「△△の処分を取り消す」という判決を出すことがあります。こうした取消判決は形成判決と呼ばれます。これにより処分は効力を失います。権利義務の変動を生ずるので、こうした判決の効力を形成力といいます。

(c)もっとも特許の効力をなかったものとするためには、特許無効審判によらなければならず、裁判所が特許を無効・取消にすることはできません。

②形成力の内容

(a)上級審による下級審の判決を取り消し、破棄する判決は、形成判決となります。訴訟上の効果を変動させるという意味で形成力の行使となるからです。

(b)これと同じように特許出願の拒絶審決や無効審判の審決なども訂正審判の請求に対する審決取消訴訟の判決も形成判決となります。

(c)形成力は、既判力と違って、訴訟の当事者だけでなく、一般に第三者にも及びます。
既判力とは

(d)行政処分は、違法であっても、無効と認められる場合を除き、行政庁等による取消の処分(無効処分を含む)があるまでは一応有効なものとして扱われるという性質(公定力)があります(→公定力とは)。

 公定力と形成力との兼ね合いが問題となります。


留意点

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