[判決言い渡し日] |
2004年1月20日 |
[発明の名称] |
ヒートシンクアセンブリ |
[主要論点] |
明細書に特定的に開示されかつクレームに記載されていない事項への均等論の適用の可否 |
[判例の要点] |
@特許出願人が記載した明細書に特定的に開示した事項であってクレームに含まれていない事項(specifically disclosed but not
claimed matter)は、公衆の実施のために供されたものと解釈され(Dedicationの法理)、均等論の適用によって回復することはできません。 A明細書に一般的(抽象的)に開示したに過ぎない事項には前記法理が適用されません。 B明細書の従来技術の欄で先行技術を批判的に記述することは文脈次第で特定的な開示事項となります。 |
[本件へのあてはめ] |
クレーム中の“金属製のストラップ”という記載に関して、均等論を適用して発明の範囲を“プラスチック製のストラップ”に拡張することが主張された事案について、 特許出願人が記載した明細書に「細長いストラップ40は、ステンレスのような柔軟な金属で形成されるが、それ以外の柔軟な材料もストラップの素材として適当であるかも知れない。」と記載していることは一般的な開示にすぎないですが、 従来技術の欄に「他の先行装置は、金型成形されたプラスチック及び(又は)鋳造或いは鍛造された金属部品を使用しているが、単なる金属形成操作に比べて高価となる。」旨の記載があり、プラスチックの特定的な開示に相当するから、 プラスチック製のストラップは、特定的に開示されかつクレームされなかった事項に相当され、均等論により回復することはできないと解釈されます。 |
[先の関連判決] |
285 F.3d 1046 Johnson &
Johnston Associate v.
R.E.Service Co., |
[後の関連判決] |
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