体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
陪審評決(Jury verdict) |
意味 |
陪審評決とは、陪審トライアルにおいて、審理が終結した後に事実関係について陪審員の合議体が決定することを言います。
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内容 |
@陪審評決の意義
(a)民間から任意に選ばれた陪審によって構成される合議体により事実の認定を行う審理を、陪審トライアルと言います(→陪審トライアルとは)。
(b)この認定のために合議体が行う決定を、陪審評決といいます。
なお、裁判において、陪審員の合議体によって行われる決定を陪審評決といい、これに対して裁判官が行う決定を判決と言います。陪審トライアルの場合には、陪審員による評決の後に、通常はこの評決に基づいて裁判官が判決を出します。
(c)陪審評決に至る手続としては、陪審員全員を周囲から隔離して、陪審員の中から選ばれた司会を通じて討論し、陪審説示に示された質問事項の全部に結論に至った後に、評決を出します。
(d)陪審評決は、全員一致を原則とします。
(e)評決に至らない場合には、陪審員を改めてトライアルを再開することになります。
(f)陪審評決の種類としては、特に複雑なケースにおいて、裁判官の求めに応じて下される特別評決と、通常のケースの場合に出される一般評決とがあります。
A陪審評決の内容
(a)一般の陪審評決では数日をかけて陪審員同士で話し合い、結論に至ります。
(b)しかしながら、特許事件では、判断するべき事項が多岐に亘る(例えば特許出願の経過、クレームの記載の解釈、係争物の構成及び当該構成要件のクレームへの当て嵌め、特許出願前の先行技術の存在及び特許の有効性の判断)ことが少なくありません。
前述の通り、裁判官による陪審説示での論点(質問事項)が多数あれば、それらの全部に関して結論に至る必要がありますので、特許事件の陪審評決は通常よりも長い時間(例えば何週間も)がかかると言われています。
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留意点 |
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