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1306 クロスアピール/特許出願(外国) |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
クロスアピール(Cross-appeal) |
意味 |
クロスアピール(Cross-appeal)
とは、下級裁判所の判決に関して一方の当事者が上級裁判所への訴えを提起した後に他方の当事者が上級裁判所に訴えを起こすことです。
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内容 |
①クロスアピールの意義
(a)クロスアピールは、下級裁判所の判決に関して訴えられた、すなわちアピールされた側(appellee)が、自分達も当該判決に対して不服があるとして、上級裁判所に対して当該判決の見直しを請求することです(→アピールとは)。
(b)アピールとクロスアピールとの違いは、基本的にどちらが先に訴えを起こし、どちらが後に訴えを起こしたかと云うことです。
先に訴えを起こした当事者を“appelant”といい、この訴えの時点で他方の当事者を“appelee”と言います。後者が提起した訴えがクロスアピールです。広義の意味では、後者も訴え“appeal”をしているのですから、自分の訴えのappelantである訳ですが、そうするとややこしくなるために、訴えの提起された時点の前後で言葉を使い分けているのです。
(c)この関係は、Civil trialにおけるクレームとカウンタークレームとの関係に類似しています(→Civil trialとは)。
クレームと言っても特許出願のクレームとは関係ありません。具体的には、特許侵害事件で原告が特許権侵害行為に対する損害賠償を求める訴え(クレーム)を提起し、これに対して、特許権非侵害の確認や特許無効の確認を求める訴え(カウンタークレーム)を行うという如くです(→カウンタークレームとは)。
(d)なお、日本の裁判制度上の「上訴」という用語を用いて(→上訴とは)、カウンターアピールのことを“交差上訴”ということもあります。
②クロスアピールの内容
(a)例えば特許訴訟の論点の1つとして特許出願前の先行技術を根拠として特許の有効性が争われ、特許は有効であるが侵害行為はなかった旨の判決が出された仮定とします。
原告が判決中の非侵害という部分について訴え(アピール)を提起し、これに続いて被告が判決中の特許は有効であるという部分について訴えを提起すれば、これがカウンターアピールとなります。
(b)カウンターアピールは、これを行う当事者が独自に裁判所にクレームしたいこと(前述の仮想例であれば特許無効の確認)を有する場合に行われます。ただ、単に原判決を支持して欲しいというだけの場合にはカウンターアピールは行いません。
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