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1376 専門家証人 (Expert
witness)/特許出願/ |
体系 |
外国の特許法・特許制度 |
用語 |
専門家証人 (Expert witness) |
意味 |
専門家証人 (Expert
witness)とは、自分の知識や与えられた情報に基づき見解を証言する証人を言い、科学的専門家以外の専門家を含みます。 →証人(Witness)とは
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内容 |
①専門家証人 (Expert witness)の意義
(a)知識・技能・経験・訓練又は教育により専門家としての適性を有する者の意見は、
・事実認定者(trier of
fact)が他の証拠を理解し、又は争点事実を判断することを助ける(条件A)
ものであり、裁判の審理を適正かつ円滑に進める上で有効です。
(b)もっとも、その意見が専門家の独断であってはならず、
・その証言が十分な事実又はデータに基づいている(条件B)
ことが前提です。
(c)たとえ十分な事実やデータに基づいていたとしても、その専門家個人の独自な理論に当てはめた結論として意見が導かれるという如きは、これを信じて良いか否かは裁判官の思案に余る問題です。従って証言を証拠に採用するためには、
・その証言が信頼性のある原則及び方法の産物であり(要件C)
・専門家が当該原則及び方法を事案の事実に信頼できる形で適用したこと(要件D)
が必要です。
(d)そこで連邦証拠規則(Fed. R. Evid.)
702は、前述の要件A〜Dが満たされることを条件として、専門家としての適正を有する証人が、専門家証人として証言すること(意見を述べることを含む)を認めています。
(e)証人が専門家として証言するために雇われた場合には、報酬の金額その他の事項を記載したエキスパートレポートを提出する必要があります。
→エキスパートレポートとは
専門家証人の証言の信頼性を担保するためです。
②専門家証人 (Expert witness)の内容
(a)特許訴訟の場合、専門家証人となり得る専門家としては、次のものがあります。
(イ)技術的な専門家(technical
expert)
技術的専門家とは、技術的な事柄に関して、知識・技能・経験・訓練又は教育により専門家としての適性を有する者をいいます。 →技術的専門家(technical
expert)とは
例えば特許出願人が用いたクレームの用語の意義を巡って証人(専門家)を呼んで審理する場合が該当します。 →Teva
v. Sandoz事件
(ロ)損害額に関する専門家(damages expert)
損害専門家は、損害額の評価に関して前述の教育などにより専門家としての適性を有する者です。 →損害額専門家(damages
expert)とは
(ハ)法律に関する専門家(legal expert)
(b)米国では、科学的証拠などに関する専門家の証言はダウバードスタンダードを満たさなければならないとされています。 →ダウバートスタンダード(Daubert
standard)とは
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留意点 |
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