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211 特許出願のサポート要件の類型/請求項/書面主義/ |
体系 |
特許申請及びこれに付随する手続 |
用語 |
特許出願のサポート要件違反の類型 |
意義 |
特許出願のサポート要件違反の類型として、出願人が特許を受けようとする発明が明細書の発明の詳細な説明に記載されたものと認められない典型的な例を挙げます。
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内容 |
①サポート要件の意義
特許出願は、発明者が創作した技術的なアイディアを開示する手段であり、アイディアを十分に保護するためには上位概念・中位概念・下位概念のように多段階に開示することが望まれます。
特許請求の範囲に記載した上位概念の発明を、中位又は下位の概念である実施形態・実施例でサポートするのが一般的です。実施形態等は、当業者が特許出願に係る発明できることを保証するために具体的に記載する必要があります。
必然的に拡張し或いは一般化された請求項の記載を一つ又は複数の実施形態等で一つ又は複数の具体例で支えることが多くなります。従ってサポート要件違反は特許出願の明細書に記載した実施形態等によって支えるアイディアを拡張し過ぎることで生じます。
②サポート要件違反の類型
(a)特許出願のサポート要件違反の第1類型
発明の詳細な説明中に記載も示唆もされていない事項が、請求項に記載されている場合です。
(b)特許出願のサポート要件違反の第2類型
請求項及び発明の詳細な説明に記載された用語が不統一であり、その結果、両者の対応関係が不明瞭となる場合です。
例えば請求項に記載した「データ処理手段」が発明の詳細な説明に記載した複数の具体的手段のどれに対応しているのか判らないケースです。
(c)特許出願のサポート要件違反の第3類型
特許出願時の技術常識に照らして、発明の詳細な説明に開示された内容を請求項の発明の範囲まで拡張ないし一般化することができない場合です。
例えば請求項で物の発明を特定するために数式や数値を用いているが、発明の詳細な説明には課題を解決するために数式又は数値の範囲を定めたとしか記載されておらず、特許出願時の技術常識を以てしてもその範囲内で課題を解決できると当業者が認識できる程度に実施例や説明が記載されていないケースです。
→サポート要件違反のケーススタディ(第3類型-1)
いわゆる用途発明の特許出願の場合には用途に関するサポートも必要です。 →用途発明のサポート要件
(d)特許出願のサポート要件違反の第4類型
請求項において、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されていない場合です。 →特許出願の請求項に課題解決手段が反映していない場合とは
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留意点 |
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