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225 進歩性審査基準(特許出願の要件)/動機づけ |
体系 |
実体法 |
用語 |
発明に対する動機づけ |
意味 |
(特許出願に係る)発明に対する動機づけとは、発明の課題を解決する手段に至るための起因や契機をいいます。
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内容 |
①特許出願時に公知の発明などから当業者が特許出願に係る発明に容易に発明できないこと(進歩性)は、重要な特許要件ですが、「容易に」という抽象的な文言の解釈はむずかしいことです。
②現行の進歩性審査基準は、特許出願に係る発明と一つの主引例との相違点を認定した上で、次の順序で、発明に容易に想到することの論理付けを行うものとしています。
相違点が設計的事項(数値範囲の最適化など)に過ぎないものか。
↓
特許出願に係る発明に対する動機づけが存在するか。
↓
特別顕著な効果を発揮するものか。
③1の動機付けは、技術分野の関連性です。技術分野の関連性があると、課題や用途に類似点が多く、引用例同士を結び付け易いからです。
④第2の動機付けは、課題の共通性です。課題は発明の起因であり、課題に共通性のある引用例は結び付け易いからです。
⑤第3の動機付けは、作用・機能の共通性です。作用・機能は発明の結果であり、作用や機能の共通性のある範囲で構成要素を置き換えるなどは普通に行われるからです。
⑥第4の動機付けは、引用発明の内容中の発明に対する示唆です。示唆は特許出願に係る発明へ至る直接の道しるべとなるからです。
⑦さらに特許出願に係る発明が引用発明に対して有利な効果を有する場合には、これを参酌します。仮に特許出願に係る発明の発明特定事項の全部に対応する事柄が引用発明に記載されており、引用発明で上位概念で記載された事項を下位概念化したに過ぎないもの(選択発明)でも、顕著な効果を発揮するときには、進歩性が認められる可能性があります。
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留意点 |
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