体系 |
実体法 |
用語 |
技術分野の関連性 |
意味 |
技術分野の関連性は、特許出願に係る発明の進歩性判断において当該発明に引用例から到達する動機付けの一つであり、技術分野が関連する引用例同士には相互に結び付く契機が存在すると考えられます。
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内容 |
@進歩性審査基準には”発明の課題解決のために、関連する技術分野の技術手段の適用を試みることは、当業者の通常の創作能力の発揮である。例えば、関連する技術分野に置換可能なあるいは付加可能な技術手段があるときは、当業者が請求項に係る発明に導かれたことの有力な根拠となる。”と記載されています。
→技術分野が関連することの意味
A2つの技術(例えばパチンコゲーム機用の打止め機及びスロットルマシーン用の打止め機)が技術的観点からみて類似する技術分野に属する場合には、一方の分野から他方の分野に適用することは容易であると考えられます。上述の打止め機の例の場合には計量対象が玉かメダルかという相違はあるものの、打ち出された対象の数が一定数に達したときに打ち出しを止めるという着想をそのまま持ち込めるからです(平8(行ケ)103)。
B段ボール紙印刷機における印刷インク回収装置に関する引用例1と印刷インキ等の高粘性液を供給する装置に関する引用例2とは同一の技術分野に属することが明らかであるから、正転・逆転可能な移送ポンプという極めて基礎的な技術手段を引用例2から引用例1に転用することは極めて容易と判断された事例があります(平8(行ケ)21)。
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留意点 |
米国の進歩性の審査実務(MEPE)では、“発明は全体として考慮しなければならない。”という言葉があります。特許出願人は、技術分野の関連性を動機付けと考慮するときにはこの言葉を思い出すべきと考えます。
上記Aの事例では打止め機のアイディアをパチンコゲーム機からスロットルマシーンへ転用するのには思想上の障害が殆どないという事情があり、Bの場合には転用対象である正逆可能なポンプが極めて基礎的な技術手段であるという事情がありました。これらの事情を踏まえて技術分野の関連性を動機付けとするという論理展開となったのです。
技術分野の共通性を動機付けとする場合には、特許出願人は、個々の事案の発明の特徴を慎重に見極める必要があります。
→技術分野の関連性のケーススタディ
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