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ビジネス用語 |
用語 |
技術標準 |
定義 |
技術標準とは、ある特定の技術においてその技術がユーザを含めた開発者・生産者等の関係する人々にとって統一的でありかつ利益や利便性が構成に得られるように各種の取り決めをすることです。
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内容 |
@技術標準化の意義
近代の産業の発達は、まず特許制度(特許出願人が新たな技術を公開することの代償として、市場における独占を許容し、以て技術の累積的な進歩を促す制度)によって図られました。しかしながら、現代の工業製品は多数の特許の結晶であり、それらが全て各事業者によって自前で開発された技術(→自前主義とは)で構成されているとすると、異なる事業者の製品同士での互換性が失われます。例えばA社のパソコンにはA社のキーボードしか使えないとすると、需要者にとっては不便な場合があり、またコスト高になる可能性もあります。そこで例えば同種の商品の基本的な機能に関しては、共通の規格として互換性を持たせようとする流れが生まれました。こうした傾向を“技術の標準化”といい、標準化されたルールが技術標準です。
→特許出願と技術標準
A技術標準の種類
(A)技術標準の成立プロセスに着目すると、次のものがあります。
(a)デジュール標準
国際的な機関などにより策定される標準です。
(b)デファクト標準
市場の実勢に応じて発生した事実上の標準です。
(c)フォーラム標準
特定の標準の策定に関心を持つ複数の企業が会議(フォーラム)を開いて形成される標準です。
(B)技術標準の中身に着目すると次のものがあります。
(a)フォーマット標準
記録媒体等の製品の基本的な機能に関する標準です。
(b)インターフェイス標準
製品のインターフェイスに関する標準です。
(c)性能試験標準
性能や機能についての試験方法に関する標準です。
B技術標準と特許の活用
(a)自社が所有する技術のうちでコア特許は独占(クローズ)し、それ以外の部分の実施を他者に開放(オープン)する戦略をオープン&クローズ戦略といいますが、技術標準化は、そのオープンの部分で重要な意味があります。
(b)何故なら、自社の技術が他者のこれまでの製品と全く異なる仕様・方式であると、その技術へ乗り換えるためのコスト(スイッチングコスト)が増大するからです。
(c)技術標準化が進めばそうしたコストが抑えられ、特許権について実施権を求め易くなります。
(d)技術革新にスピード感が求められる今日では、特許権が成立するまで待てないということもあるでしょうが、その場合には、特許出願の段階で仮専用実施権又は仮通常実施権を受けることも可能です。
(e)技術標準化された技術を特許出願するときには、技術標準の知識が必要です。 →特許出願人の技術標準化対策
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