パテントに関する専門用語
  

 No: 262   

TEACHING AWAY/阻害要因/進歩性

 
体系 実体法
用語

TEACHING AWAYとは(進歩性)

意味  TEACHING AWAYは、米国特許出願(及び特許侵害)の進歩性判断の実務において、進歩性を肯定する要素ととなります。

内容 @米国特許出願に係る発明の進歩性を判断する場合には、引用発明の教示内容(Teaching)、その発明に到ることの動機付け(Motivation)、当該発明に対する示唆(Suggestion)の有無を判断するTSMテストが行われるとともに、TEACHING AWAYがあるかどうかが参酌されます。

A発明の示唆は特許出願に係る発明に到る方向のヒントであり、他方、TEACHING AWAYは、特許出願に係る発明から遠ざかる方向のteachingという意味です。

B米国の“TEACHING AWAY”は我国にいう阻害要因に対応する概念です。

CTEACHING AWAY(阻害要因)の類型としては例えば次のものがあります。

(イ)開示された構成に従うことを思い留まらせる(Discourage)する事情があること。

 例えば、ある種の電池の電極を銀からマグネシウムへ変更する材料の変更に関して、それを行うと、通電しない状態でも電池反応が進行してしまい、実用的ではないというような場合が該当します。→383 U.S. 39(アダムスの電池事件)

(ロ)当業者が特許出願人の採用した構成と異なる方向へ導かれること。

(ハ)引用文献に記載された構成の使用により、作動が不可能となること。
 一見したところ作動不可能となるが改善の余地があるケースを含む場合を含みます。

留意点 Cに関して、異なる発明の課題が引用文献に記載されていても、別の思考過程から本発明の課題解決手段(構成)に到達できたときには、特許出願に係る発明の進歩性が否定される場合があります。→596 F. 2d 1019 「溝付きカーボン製ブレーキディスク」事件

 


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