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280 進歩性/特許出願の要件(外国)/機能的アプローチ |
体系 |
実体法 |
用語 |
機能的アプローチ |
意味 |
機能的アプローチ(function approach)とは、米国特許出願の進歩性判断において関連技術分野を、当該特許出願の対象の対象の機能な面から定めるという手法です。
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内容 |
@グラハムテスト(米国特許出願の進歩性判断の手順)の一つとして、「関連技術分野における当業者の技術水準を確定すること」という項目があります。
A「関連技術分野」(pertinent art)と決めるための考え方として、機能的アプローチ(function
approach)と問題解決アプローチ(problem-solving appoach)とがあります。
B機能的アプローチは、技術革新が意図する技術分野を関連技術分野とする考え方です。
特許出願の対象が製品である場合に、製品機能的アプローチ(product-function approach)ということもあります。
C問題解決アプローチは、技術革新が解決しようとする問題を取り扱う技術の分野を関連技術分野とする考え方です。 →課題解決アプローチとは(米国特許出願の)
Dグラハム判決の第2事件(Calmar事件)において、発明者はスプレー装置(shipper-sprayer)の分野で壊れにくくかつ一体成形されるスプレーを製造するために、10年以上に亘って研究してきました。機論の余地もなく、そうしたスプレーを得ることは自明ではありませんでした。発明者は、注ぎ口をシールする蓋の特許は、スプレーとは何の関係もないと考えて特許調査をしませんでした。
→383 U.S.1-(II)
E機能的アプローチは、先行技術の範囲を狭く解釈したい、特許出願人/権利者の立場から主張される傾向にありますが、これを修正する手法として問題解決アプローチ(problem-solving approach)があります。上述のクック事件では、裁判所は、特許出願人及び殺虫業界が直面していた問題は、殺虫剤の問題ではなく、機械的な閉塞部(mechanical-closure)の問題であるという立場をとりました。
→機能的アプローチのケーススタディ1(肯定例)
F日本の進歩性審査基準は、技術分野の共通性と作用・機能の共通性とを切り離して、それぞれ特許出願の発明に至る動機付けとしてとらえています。
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留意点 |
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