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 パテントに関する専門用語
  

 No:  597   

進歩性審査基準/特許出願の要件(外国)/課題解決アプローチ(US)

 
体系 実体法
用語

課題解決アプローチとは(米国特許出願の)

意味  米国特許出願の課題解決アプローチ(Problem solving approach)とは、米国特許出願の実務で関連技術の範囲をイノベーションが解決しようと意図したのと同種の問題を取り扱う技術と捉えるアプローチです。


内容 @課題解決アプローチの意義

(a)米国特許出願の実務では関連技術の範囲を把握することが重要です。

・たとえば特許出願の発明が組み合わせの発明である場合を考えます。

・そのときに、殆どの発明は古いエレメント(技術的要素)の組み合わせであるから、単に発明の全ての技術的要素が先行技術の中に見出されるというだけでは進歩性(非自明性)を否定するに足りない、引用例同士が相互に関連するかどうかが必要であるというのです。

・関連技術の範囲の捉え方次第で特許出願の審査に引用される先行技術か否かが決まるので、進歩性の結論に直結する概念なのです。

(b)そのときに関連技術の範囲の捉え方のアプローチの一つが課題解決アプローチ(Problem-solving-approach)があり、他のアプローチが機能的アプローチです。→機能的アプローチとは

A課題解決アプローチの内容

(a)課題解決アプローチにおいては、特許出願の対象の機能から認識される業種を超えて、特許出願人の工夫(イノベーション)が解決しようと意図したのと同種の問題(kind of problem)を関連技術と捉えるのです。

(b)課題解決アプローチと機能的アプローチとは相補的な意味合いがあります。

(c)まず、機能的アプローチによる過剰に狭い関連技術の解釈(特に特許出願人/権利者が主張する解釈)が裁判所(或いは特許出願の審理)において課題解決手段により修正されるという傾向があります。

(d)他方、課題解決アプローチによる、例えば課題の無理な上位概念化による過剰に広い関連技術の解釈が、裁判所において覆されるという傾向があります。

B日本での考え方

 日本の進歩性審査基準は、特許出願の発明に至る論理付けの動機として、課題の関連性、技術分野の共通性、機能・作用の共通性を並列的に規定しています。


留意点  欧州特許出願にも課題解決アプローチ(Problem-and-solution approach)と呼ばれるものがあります。

 日本語にすると同じような表記になってしまいますが、こちらは関連技術の把握の問題に限っているわけでないので別の概念と認識するべきと考えます。
課題解決アプローチとは(欧州特許出願の)


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