体系 |
実体法 |
用語 |
pertinent art |
意味 |
pertinent art
(関連技術)とは、米国特許出願の非自明性の実務においてMEPE(日本の進歩性審査基準に相当するもの)で使用されている用語であって、主に特許出願人(発明者)が直面している課題に合理的に関連している技術を指します。
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内容 |
@MPEPは、非自明性(進歩性)に関して引用文献の範囲として類似技術(analogous art)という概念を導入し、さらに発明者が創作をしようと試みた範囲(field of endeavor)自体でなくても、特許出願人(発明者)が直面した課題と合理的に関連しているときには、類似技術として引用文献とすることができると定めています。
Aしかしながら、特許出願人が直面した課題とは、客観的に判断するべきものであることに留意しなければなりません。
B例えばグラハム判決のクック事件(383 U.S.1-(II))では、特許出願人が直面していた問題は、殺虫剤を入れた容器とポンプスプレーとを液漏れしないように一体化した輸送に適したスプレー(shipper-sprayer)を提供することであり、引用文献はスプレー容器とは別種の液体容器に関するものであるから、pertinent art
(関連技術)ではないと主張しました。しかしながら、裁判所は、特許発明の特徴は容器用キャップとオーバーキャップとをリブを用いてシールすることであるので、特許出願人が直面していた問題はオーバーキャップとキャップとのシール技術であると、判断しました。容器の中身(殺虫剤)如何は無関係であるということです。
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留意点 |
日本の進歩性審査基準は“pertinent art”の概念は導入していませんが、その代わりに課題の共通性を発明の構成に至る動機付けの一つとして挙げています。
“課題が共通することは、当業者が引用発明を適用したり結び付けて請求項に係る発明に導かれたことの有力な根拠となる。”
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