内容 |
@特許出願人にとって、費用の問題は大きな関心事であると思います。ここでは特許出願の流れに沿ってどういう場合に費用(主に特許庁に対して支払う手数料、いわゆる印紙代)が発生するのかを説明します。費用が発生しない、無料でできるサービスや手続も説明します。
なお、下の参考図を合わせて参照して下さい。黒字は特許庁の業務、赤字は特許出願人又は第三者が特許庁に対して行う手続やアクションのうち有料のもの、青字は無料であるものです。
A特許出願をするまでの費用等
特許出願をする前に先行技術調査をすることが望まれますが、特許庁の外郭団体が無料の検索システム(特許プラットフォーム)を提案しており、特許出願をしようとする方が自らこうしたシステムを利用する限り、先行技術調査に費用は生じません。特許事務所に調査を依頼する場合には、手数料を請求される場合がありますので、予めその事務所に確認して下さい。
民間の調査システムを利用する場合には、一般に費用が発生します。
B特許出願をする際の費用等
特許出願をする場合には、特許庁に対して手数料(印紙代)を発生しなければりません。印紙代は、基本料+請求項毎の割り増し手数料という形になります。
→特許出願の費用(出願時の特許庁手数料)
外国では、特許出願の際に官庁に対する手数料(Official
Fee)として特許出願の方式審査+実体審査の費用をまとめて請求する国もありますが、我国では、実体審査の費用を除いて特許出願時の印紙代を請求し、所定の期間内に特許出願人が実体審査をすることの請求(出願審査請求)をしたときに実体審査の費用を請求することにしています。権利になるかどうかの判断は後日行いたいが、とりあえず特許出願だけはしておきたいという方の要請にこたえるためです。なお、所定の期間とは、特許出願の日から3年間です。
C特許出願後の流れ(審査手続き等)の中で生ずる費用
(a)特許出願の後に、例えば出願番号を元に、特許庁の外郭団体が提供する前述の特許情報プラットフォームにおいて、特許出願の検索を行い、経過情報などを参酌できます。これにより特許出願の状況などを確認することができます。この作業に対して特許庁の手数料は発生しません。
(b)特許出願をした後に例えば出願書類に不備を発見したり、権利範囲を狭めたいと考えたときには、手続補正書を提出します。これに対して、特許庁の手数料は発生しません。
(c)特許出願人が上述の出願審査請求をしたときには、特許庁の手数料が発生します。
料金体系が基本手数料+請求項毎の割り増し手数料である点は、特許出願をする際の費用(出願手数料)と同じですが、金額的にはこちらが多いです。
出願審査請求の際に手続補正書を請求して必要でない請求項を削除し、特許庁の手数料を軽減することができます。
(d)実体審査の結果として、特許庁が特許出願人に対して拒絶理由通知を発したときに、特許出願人は意見書を提出して反論することができます。この意見書の提出は無料でできます。但し、特許事務所に依頼するときには、一般に費用が発生します。
D特許出願に対して拒絶をするべき旨の査定(拒絶査定)が出された後の費用
特許出願人は、拒絶査定を不服とする旨の請求することができます。この審判の請求には特許庁の手数料が発生します。
E特許出願に対して権利を付与すべき旨の査定(特許査定)が出された後の費用
特許出願人は、権利を受けるためには、1〜3年次の特許料(いわゆる年金)を納付しなければなりません。
F特許出願に権利が付与された後の費用
特許出願人は、特許権の設定登録により、特許権者として独占排他権を行使できますが、特許権を維持するためには、4年次以降の特許料を納付しなければなりません。
さらに縦覧・閲覧の費用など、詳しい情報に関しては下記を参照して下さい。 →特許出願に権利が付与された後の費用
G特許出願の費用の支払い
特許出願の費用の支払いは、紙面に特許印紙を貼付した書類を提出することでもできますが、予納により行うことが一般的です。 →予納とは(特許出願の費用)
|