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実体法 |
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commercial success(商業的成功)のケーススタディ1〔Nexusの存在〕 |
意味 |
Commercial
success(商業的成功)は、純粋な技術的観点以外の視点から発明の価値に光をあてる2次的考察の一つとして挙げられますが、考察の結果として非自明性が認められるためには、発明のメリットと商業的成功との間の関係性(Nexus)が存在することが必要です。ここではその点に関してケーススタディします。
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内容 |
@日本の進歩性審査基準でも“商業的成功又はこれに準ずる事実は、進歩性の存在を肯定的に推認するのに役立つ事実として参酌する”旨が記載されています。もっとも参酌をして進歩性の評価が逆転することはなかなか難しく、例えば同進歩性審査基準が掲げる事例の一つ(平成8年(行ケ)193)では、権利者が「(本件発明は)閉鎖キャップ以外は一つの成形型で一体成形し得るようにした結果、世界的な商業的成功を得ている」と主張しましたが、裁判所はこの主張を退けています。その理由は、「(前記)作用効果も、上記のように構成することにより当業者が当然予測し得た範囲内のものにすぎず、原告主張のように本願発明の実施品が商業的に成功したということは作用効果の予測容易性を左右するものではない」ということです。
これは商業的成功を参酌してもなお、創作困難性を認めるに足りないと判断されたわけですが、それとは別に特許出願の審査等において商業的成功を主張するときに留意すべき点があります。
発明のメリットと商業的成功との間の因果関係がきちんと存在しなければいけないということです。
→Nexus(関係性)とは〔商業的成功〕
ACommercial
success(商業的成功)の具体例とは、次のものが認められます。
(a)例えば発明の技術的な優秀性が認められ、その結果として発明品の売れ行きが圧倒的に良好である(或いは市場のシェアが著しく高い)。
∵発明の顕著な効果が認められる。
(b)多数のライバル会社がライセンスを受けて実施をしている。
∵ライバルという立場にも関わらず敢えてお金を払っても実施したいと思っている。
B商業的成功に関しての有無が判断された事例を挙げます。 →713 F2d 1530「チューブ状押出成形品」
(a)この事例において、特許権者は商業的成功の根拠として3つの理由を主張しました。
(b)権利者の主張する理由1
[権利者の主張]
業界全体が本件特許に基づくチューブを製造している。本件特許のライセンスの許諾を受けていないのは原告(訴訟の相手方)だけである。
[裁判所の判断]
競業者による特許の認識及び受入れは、競業者がライセンスを受諾して発明のメリットを手に入れようとしているのであれば、非自明性の証拠となり得る。しかしながら、原告は、産業全体でこうしたことがあったことを証明できていない。記録によると、2つの製造者がそうしたに過ぎない。その一方の事例は、インターフェランスにより無償ライセンスがされたに過ぎない。他方の事例は、複数の他の特許をも含むライセンスが行われたに過ぎない。被告は、発明のメリットとライセンスとの連鎖(nexus)も当該ライセンスが特許の認識及び受入れによるものであることも証明できていない。
(c)権利者の主張する理由2
[権利者の主張]
アメリカの某航空機メーカーは10000ものエンジンに導電性チューブを導入した。
[裁判所の判断]
某航空メーカーが製造したチューブが本件特許のクレームによってカバーされるという証拠は存在しない。
(d)権利者の主張する理由3
[権利者の主張]
米軍の軍事仕様に適合する電導性チューブは、本件特許のもののみである。
[裁判所の判断]
また軍事仕様は本件特許が知られた後に公表されたので、それ自体長期間望まれかつ実現されなかった要望ではなく、またそれが本件特許のみでカバーされるという主張を裏付ける証拠もない。商業的成功を確立するために要求される連鎖(nexus)が存在しない。
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留意点 |
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