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587 ホールドアップ問題/特許の活用/特許出願/ |
体系 |
ビジネス用語 |
用語 |
ホールドアップ問題 |
定義 |
ホールドアップ問題とは、標準必須特許を有する権利者が、技術標準の実施者に対して高額の実施料の請求などの過酷な権利行使をすることをいいます。
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内容 |
@ホールドアップ問題の意義
(a)もともと技術標準(フォーラム標準)は、紳士協定的な意味合いがあり、その初期の段階ではそれほど問題を生じずに技術の普及と特許の活用とを図ることができていました。
(b)しかしながら、フォーラム標準は技術標準化と製品化とが同時進行するため、その策定会議に参加した企業が将来当該標準に必須の技術となりそうな事項に関して情報を得て予め特許出願を行い、次に会議から離脱して、フォーラム標準に加盟した企業に対して、当該特許出願により取得したパテントを行使して高額の損害賠償や高額のライセンス料を請求する可能性があります。
→ホールドアップ問題のケーススタディ1
また策定会議に参加して特許出願をした企業自体がそうした行為をしなくても、当該企業を買収した他の企業がそうした行為をするという事例もあります。
→ホールドアップ問題のケーススタディ2
(c)また技術標準の参加者同士においても、実施の事業を行う企業と、専ら研究を行う研究機関とがともに技術標準に参加している場合に、後者から前者に対する権利行使が厳しいものとなる傾向があります。実施者同士では、相手に強く権利行使をすると相手からライセンスを受けられないなどの理由でブレーキがかかるものですが、実施をしない立場ではそうした配慮をする必要がないからです。
(d)これらの問題を、ホールドアップ問題といいます。
Aホールドアップ問題に対する対応
ホールドアップ問題を回避し、或いは軽減するため、特許出願や権利の行使に関するルールを作ることが多くなっています。
→パテントポリシーとは
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留意点 |
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